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感染の窓

【読み】
かんせんのまど
【英語】
window of infectivity
【書籍】
セルフケア指導 脱!誤解と思い込み
【ページ】
11

キーワード解説

 生まれたばかりの新生児にはミュータンス菌は生息しておらず、生後19~31か月の間に主に家族から感染する。とりわけ、もっとも接する機会の多い母親から唾液を介して感染することが知られている。生後31か月までには約75%の子どもたちに感染が生じており、この期間は「感染の窓(window of infectivity)」と呼ばれている。感染時期がはやい小児のほうが、その後のう蝕リスクが高いことが明らかになっていることから、この時期に母親からの感染を防ぐために、母子間での食器の共有などを控えるようにという指導が一部で行われてきた。しかしながら、子どもへのミュータンス菌の定着には、食器の共有だけではなく宿主や基質(食事)の要因等の影響もあり、う蝕はさまざまな要因がかかわりあって発生する疾患である。現在では、食器の共有を避けるなどの行動は、小児のう蝕予防において重要ではないと指摘する報告もある。