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味覚障害の障害部位別分類

【読み】
みかくしょうがいのしょうがいぶいべつぶんるい
【英語】
classification of taste disorder according to the damaged area
【書籍】
一般臨床家、口腔外科医のための口腔外科ハンドマニュアル’21
【ページ】
160

キーワード解説

 味覚障害の分類は従来原因別に行われてきたが、原因として複数の要因が合併することがほとんどで、治療開始前に原因を特定することは困難な場合が多かった。そこで西田ら(2018)により、原因別ではなく味覚伝導路に沿った障害部位別の分類が提唱された。具体的には、1)味物質が唾液に溶解し味蕾に到達するまでの伝導性障害、2)味蕾の受容器性障害、3)味覚神経の障害である神経性障害、4)心因性に分類される。この分類によると、1)として口腔乾燥、舌苔、黒毛舌、2)として口腔カンジダ症、鉄・亜鉛・ビタミンB12欠乏による舌炎など、歯科がかかわる疾患が多く関係してくる。従来、耳鼻咽喉科から報告されてきた味覚障害の原因には口腔疾患はほとんど記載されてこなかったが、この分類法により口腔疾患が見直されることが期待される。