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原発性骨内癌

【読み】
げんぱつせいこつないがん
【英語】
primary intraosseous carcinoma
【書籍】
臨床家のための矯正 YEARBOOK 2021
【ページ】
143

キーワード解説

 原発性骨内癌は稀な疾患であるため、その診断・予後については、理解が容易ではない。女性よりも男性のほうが多く発症し、部位的には下顎骨の後部、年齢的には40歳代や50歳代に多くみられる。臨床症状としては、歯痛、歯の動揺、腫脹、そして時には顔面の知覚異常、開口障害といったかたちで現れる。エックス線写真では溶骨性変化をともなう膨張性の透過性病変が確認される。病巣の大きさならびに境界の状態はさまざまで、病理組織学的には扁平上皮癌に似ているが、扁平上皮癌と確定されるようないくつかの特徴的所見を欠く。そのため、病理学的診断は容易ではない。原発性骨内がんは性質が複雑であるため、確定診断にあたっては、鑑別すべき他の疾患の可能性を除外すべく、あらゆる要素を評価する必要がある。