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ブラキシズムの遺伝

【読み】
ぶらきしずむのいでん
【英語】
heredity of bruxism
【書籍】
nico2022年1月号
【ページ】
19

キーワード解説

 睡眠中の歯ぎしりは、小児で14~20%、成人で8~12%、50歳以上で3〜5%程度に見られ、全体としては年齢とともに減っていく傾向がある。ただしブラキシズムの頻度は個人差が大きく、この要因として遺伝が関与しているとの指摘がかねてからされてきた。
 セロトニン(不安やうつ、神経疾患などを抑える脳内の神経伝達物質)にかかわる遺伝子変異と歯ぎしりの関係を調べた国内の研究では、セロトニンHRT2Aの受容体遺伝子に変異がある人は、歯ぎしりリスクが4倍以上にもなることが明らかになっており、こうしたことから、ブラキシズムの発生にかかわる因子としては、ストレスや睡眠の質による影響は限定的であるとの見方が有力となっている。