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ボツリヌス療法

【読み】
ぼつりぬすりょうほう
【英語】
botulinum toxin injection
【書籍】
ザ・クインテッセンス 2022年1月号
【ページ】
100

キーワード解説

 ボツリヌス療法とは、グラム陽性偏性嫌気性桿菌であるボツリヌス菌(clostridium botulinum)が産生する菌体外毒素/ボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)を有効成分として筋肉内に注射する治療法である(ボツリヌス菌そのものを注射するわけではないので、ボツリヌス菌に感染する危険性はない)。毒素の抗原性の違いによりA型からG型までの7種類に分類されている。ボツリヌストキシンには、神経から筋肉への伝達を抑制するための働きがあり、以下の3つの働きが挙げられる。
1)筋肉の筋緊張を緩める。
2)痛みを和らげる。
3)分泌腺からの分泌物を抑制。
 作用は可逆性のため、数か月程度で効果は徐々に減弱するが、複数回の治療により効果の持続期間は長くなる。