専門情報検索 お試し版

う蝕の病因論モデル

【読み】
うしょくのびょういんろんもでる
【英語】
model of caries etiology
【書籍】
歯科衛生士 2022年4月号
【ページ】
69

キーワード解説

 う蝕の病因論を示すモデルには、従来、個体要因(宿主と歯)、病原要因(微生物)および環境要因(生活習慣)が重なることによって発症する疾患であることを示す「Keyes(カイス)の輪」や、それに時間軸を加えた「Newbrun(ニューブラン)の輪」が用いられてきた。一方、「Fejerskov(フェジェルスコフ)の輪」では、う蝕の発症には社会の仕組みや経済的背景、個人が置かれた教育環境や家庭生活環境などの「外部環境要因」も深く関与していることが示されている。さらに、ソーシャルキャピタル(社会関係資本:社会・地域における人びとの信頼関係や結びつきを表す概念)の関与も指摘されている。このように、う蝕は「生活習慣」や「外部環境要因」も関与するNCDs(非感染性疾患)であることが明確にされている。