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残留セメントの予防

【読み】
ざんりゅうせめんとのよぼう
【英語】
prevention of residual cement
【書籍】
Quintessence DENTAL Implantology 2022年No.3
【ページ】
102

キーワード解説

 セメント固定式インプラント上部構造では、装着時にセメントを取り残すことでインプラント周囲疾患の誘発リスクが生じるため注意が必要である。装着時にセメントの粘膜縁下部への流入や取り残しを防ぐ方法には、(1)アバットメントのレプリカをパターンレジンにて製作し、セメント(リン酸亜鉛セメント)を用いて上部構造を装着して、いったん余剰セメントを口腔外で除去したあと実際に口腔内のアバットメントへ装着する方法や、(2)上部構造やアバットメントの側面にベントホールを付与する方法がある。ただし、どのような方策をとってもセメントの流出を完全には防ぐことができないため、装着時に圧排糸あるいはPTFE膜、ラバーシートを挿入しておくことも検討すべきである。なお、セメントは十分な硬化を待ってから除去を開始する。硬化前にセメントをウォッシュアウトしてはならない。