専門情報検索 お試し版

デンタルコンペンセーション

【読み】
でんたるこんぺんせーしょん
【英語】
dental compensation
【書籍】
顎変形症治療の基礎知識
【ページ】
74

キーワード解説

 上下顎骨の不調和を歯の傾きで補っている状態。歯性補償。デンタルコンペンセーションは通常生体反応として起こる。日本人に多い下顎前突の場合は、上顎骨に対して下顎骨が前方にあるため、上顎前歯は前方に(唇側傾斜)、下顎前歯は後方に傾く(舌側傾斜)。これは歯が口唇と舌の圧力のバランスのとれたところに位置することが多いためである。その結果、上下顎の不調和の程度に比べ、上下顎前歯関係の異常(下顎前突の場合、多くは反対咬合)は軽度に見えることが多い。上顎前突の場合は逆に、上顎前歯が後方に(舌側傾斜)、下顎前歯は前方に傾く(唇側傾斜)傾向にある。しかし、上顎前突の場合は口唇閉鎖が不完全なことが多いことから、上唇からの圧力が小さく、上顎前歯が唇側傾斜していることもある。同様のデンタルコンペンセーションは臼歯部でも水平的(頬舌的)に起こる。