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角前切痕

【読み】
かくぜんせっこん
【英語】
antegonical notch
【書籍】
nico 2022年7月号
【ページ】
48

キーワード解説

 角前切痕とは、下顎骨の下顎底にある咬筋付着前方の陥凹部分のこと。
 角前切痕は、乳歯萌出期の小児の下顎に見られ、本来は乳歯列の完成後、咬筋の発達とともに緩徐に減少をして、永久歯列完成後にはその幅、深さともに最小となる。
 しかしながら、現代人の下顎骨では、角前切痕が顕著に大きいまま成長を終えているケースが増えている。これは、やわらかい食事によって咬筋が十分に発達しないことにより、咬筋付着前方の下顎底の成長が阻害されることによって起きる現象と考えられている。角前切痕のくぼみが大きいほど下顎の骨格は華奢になり、超狭顔化が見られることが明らかになっている。