歯の退化
- 【読み】
- はのたいか
- 【英語】
- teeth reduction
- 【書籍】
- nico2022年10月号
- 【ページ】
- 48
キーワード解説
歯の退化は、ヒトの進化過程で生じている現象。ヒトが進化するにしたがって、とくに犬歯に目立つ歯の縮小や、形態が丸く単純化してきたことが知られている。
現在進行しているもっとも顕著な歯の退化は、第三大臼歯である。第三大臼歯は、5咬頭あったものが4咬頭、さらには3咬頭に減少しており、こうした退化現象の延長上に、第三大臼歯の歯胚の欠如が生じていると考えられている。
もっとも退化現象が少ないとされる歯は第一大臼歯である。たとえば第二大臼歯の場合、3咬頭に退化した歯が約40%もあるが、第一大臼歯は形態的に安定しており、ほぼ100%で4咬頭をもつことが明らかになっている。