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歯の移動様式

【読み】
はのいどうようしき
【英語】
types of tooth movement
【書籍】
図解! 矯正治療が面白いほどわかる本
【ページ】
35

キーワード解説

 歯の移動様式には、挺出、傾斜移動、回転、歯体移動、トルク、圧下の 6 つがある。挺出:田んぼに刺さっている杭を真上に引き抜くような動きで、対合歯を失った歯が自然に挺出することからも、その容易さが理解できる。傾斜移動:歯冠を水平方向に押せば、歯はその方向に傾斜する。この際、歯は抵抗中心のやや根尖側を中心に回転するため、根尖は歯冠と反対側に移動する。回転:歯の長軸を中心に回転させる動きで、複根歯の回転は単根歯に比べて困難である。歯体移動:歯の長軸を傾けることなく平行に移動させる動きで、長いフックなどで歯の抵抗中心付近に矯正力をかけたり、ブラケットと角ワイヤーを用いて歯が倒れないようにしながら移動させる。トルク:歯冠の位置を変えることなく根尖を移動させる動きで、通常ブラケットを装着し、角ワイヤーにねじれを加えることによって実現される。圧下:挺出とは正反対の移動様式で、大臼歯については近年、歯科矯正用アンカースクリューの登場で可能になった。