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アンカレッジロス

【読み】
あんかれっじろす
【英語】
anchorage loss
【書籍】
図解! 矯正治療が面白いほどわかる本
【ページ】
137

キーワード解説

 固定源となる臼歯が近心移動することをアンカレッジロス(アンカーロス)という。抜歯治療では通常、抜歯スペース閉鎖時に臼歯群がアンカレッジロスを起こし、臼歯関係に影響する。上顎と下顎では、「上顎のほうがはるかにアンカレッジロスを起こしやすい」という性質がある。理由の1つは、骨質の違いにあると考えられる。分厚い皮質骨に囲まれている下顎臼歯に比べ、上顎臼歯は海綿骨の中に植立している。また、ブラケットが頬側に付くため、上顎大臼歯が太い口蓋根を中心に、近心にローテーションしやすいことや、下顎前歯よりも上顎前歯のほうが、骨の抵抗を受ける歯根表面積が広いことも理由として挙げられる。