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胃食道逆流症

【読み】
いしょくどうぎゃくりゅうしょう
【英語】
gastroesophageal reflux disease (GERD)
【書籍】
TOOTH WEAR
【ページ】
82、83、85

キーワード解説

 健康な人でも胃酸が食道へ逆流する生理的な現象を経験することがある。この生理的な逆流は、通常、食後に生じる。しかし、胃酸逆流は患者のQOLに影響を及ぼすとともに、食道および食道外の合併症を引き起こす胃食道逆流症に進行することがある。
 胃食道逆流症の危険因子としては、アルコール、ニコチン、食道裂孔ヘルニア、妊娠、肥満、重い食事などが挙げられ、閉塞性睡眠時無呼吸症候群も夜間逆流と関連している。食道症状としては、胸焼け、逆流、心窩部痛、嚥下障害など、食道外症状としては、胸痛、喘息、慢性咳嗽、慢性嗄声などが認められる。
 胃食道逆流症患者では、臼歯部の咬合面や歯列の唇側面を侵す広範囲な酸蝕症が認められることが少なくない。無症候性の患者では歯科医師が最初に胃食道逆流症であると診断することがある。