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2012年3月4日

POIC研究会設立記念講演会開催

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 さる3月4日(日)、日本歯科大学富士見ホール(東京都)において、POIC研究会設立記念講演(米山武義会長)が開催され、300名超が参集した。POIC研究会は専門的口腔感染症予防を基礎医学的、臨床医学的、社会学的に研究し、その成果を看護師、歯科衛生士、医師、歯科医師などの多職種で共有し、実践していくことを目指す会である。

 開会にあたり米山会長が挨拶し、「誤嚥性肺炎予防、感染症を予防するセルフケアの確立、菌血症予防を鑑みた歯周病治療法の確立、ICUにおけるVAP(人工呼吸器関連肺炎)の予防、ターミナルケアにおける専門的口腔ケア、災害時感染症予防、インプラント治療における感染予防、院内感染予防」を重点的なテーマに据え、研究発表を展開するとした。

 つぎに松月みどり氏(看護師、社団法人日本看護協会常任理事)が登壇し、医科歯科連携の展望として周術期における口腔ケア、介護・在宅医療における口腔ケア、地域包括ケアシステム(地域包括支援センターとしての歯科医院活用)、摂食嚥下機能の賦活、適正な義歯制作を挙げた。またがんに関しては終末期患者への口腔ケア、がん復帰患者への対応、免疫が下がった患者の肺炎予防を挙げ、「それぞれの専門性に閉じこもる時代は終わり、どこで、どこまで協力できるかがわれわれの役割・使命になっている」とした。

 他にも三宅洋一郎氏(徳島大大学院教授)による「口腔細菌の病原性とそのコントロール」、岸本裕充氏(兵庫医科大准教授)、宇都宮明美氏(聖路加看護大准教授)による「急性期病院における肺炎をチーム医療で予防しよう!」、照沼 裕氏(医師、東京クリニック)による「口腔感染症予防による免疫力向上の可能性」など、医科歯科の枠を超えた講演が続き、会場に参集した多職種にわたる聴衆も各講演に興味深く聞き入った。