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2012年3月17日

第21回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会開催

「育む-社会が求める有病者歯科医療への展開-」をテーマに

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 さる3月17日(土)、18日(日)の両日、栃木県総合文化センターにおいて、第21回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会(今井 裕大会長、白川正順理事長)が700名以上の聴衆を集めて盛大に開催された。大会テーマは、「育む-社会が求める有病者歯科医療への展開-」。

 超高齢社会のなか、循環器疾患や糖尿病などの全身的な基礎疾患を有する患者の増加にともない、有病者歯科医療は以前にも増して注目を集めている分野である。2日間にわたってシンポジウム、海外演者を含む特別講演・教育講演、ワークショップ、県民公開講座、学術教育研修会、ランチョンセミナー、一般口演、ポスタープレゼンテーションなど、いろいろな角度からのセッションが設けられた。

 大会のメインセッションは2日目に行われたシンポジウム「歯科医療の現状と未来~医療連携についての考え方」(座長:今井大会長、柴田勝栃木県歯科医師会会長)。同名の演題で講演を行った大久保満男氏(日本歯科医師会会長)は、まず、歯科保健・医療の意義とは、口腔機能の維持・増進によって「食」と「会話」という人間の生活の根幹にかかわる「生きる力」を支援する生活の医療であるとしたうえで、その共通理解のもと歯科医師としていま何ができるかが重要とした。また、超高齢社会のなか、有病者・要介護者の生活を守る必要性、看取り歯科医療の確立(最後まで食べることのできるターミナルデンティストリー)の重要性も示し、会場が沸いた。日歯のトップの熱い講演後、今井大会長ら3名の講演に触発されたのか、ディスカッションは時間を超過して熱心に行われた。

 また、ワークショップでは、「1.東日本大震災から復興における有病者歯科医療」、「2.ビスフォスフォネート製剤と顎骨壊死」と時流にのった話題が提供され、こちらも熱心に聴講する姿が多く見られた。とくにビスフォスフォネート製剤の話題は、一般口演やポスタープレゼンテーションでも数多くの演題が集中しており、関心の高さがうかがえた。医科歯科の連携をはじめ、どうすれば患者の安心・安全に寄与できるのかがいまだ大きな課題との声も聞かれた。