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2012年4月8日

「子どもの咬合を考える会」第16回特別講演会開催

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 さる4月8日(日)、同志社大学寒梅館(京都府)において、子どもの咬合を考える会「第16回特別講演会」(白石千栄子大会長、馬渕隆史会長)が開催された。本会は、子どもの咬合や歯列に異常をきたす原因を知り、できるだけ早期に最適な対応をして、健全な咬合育成を促すことを目的とし、これに関わる諸問題を学習する一般臨床歯科医を中心としたスタディグループである。今回は今井一彰氏(医師・福岡県開業)と大野秀夫氏(山口県開業)を演者に迎え、「子どもの健やかな未来のために~医科と歯科で行う健口未来」をテーマに行われた。

 午前中はまず、今井氏が「あいうべ体操と全身疾患」と題して講演。氏は、種々の全身疾患と口腔疾患との相関を述べたうえで、それら疾患の改善に対する鼻呼吸の有効性、および口呼吸の悪影響を症例を通して解説した。そのうえで、口呼吸のリスクファクターとなる舌低位を改善し、鼻呼吸を行うための一助となる口腔の体操「あいうべ体操」を紹介した。

 午後は、本会会員によるパネル発表4題が行われた後、大野氏が「口と体の癖からみた咬合異常への対応」と題して講演を行った。氏は、指しゃぶり、爪噛み、Lip Bitingなどの原因は、子どもの成長発育段階で異なるものの、小学生以上の患者においては家庭や学校などの生活環境による心の問題が大きいとした。そして歯科医院においては、まずはその心のサポートを行うことが重要であるとし、患者および保護者への対応など、自院での取り組みを述べた。さらにその後、今井氏と同様、口呼吸中止支援の方法論を自身の症例をもとに語った。

 その後、本会相談役の小佐々晴夫氏、久保田正紀氏(ともに京都府開業)を座長に、両演者が会場からの質問に答えるシンポジウムが行われ、500人を超える参加者で埋め尽くされた会場は終演まで盛会となった。