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2012年4月14日

第3回日本歯科CAD/CAM学会学術大会盛況に

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 さる4月14日(土)、15日(日)の両日、東京医科歯科大学M&Dタワー 鈴木章夫記念講堂(東京都)において、「第3回日本歯科CAD/CAM学会学術大会」(日本歯科CAD/CAM学会主催、三浦宏之大会長、末瀬一彦会長)が、「生体に調和したCAD/CAMテクノロジー」をメインテーマに開催された。設立3年目となる本学会は、近年発展著しいCAD/CAM技術の歯科への応用、およびそれを核としたDigital Dentistryや最新材料の研究・応用を目的とするもの。会場には昨年と同様、多数の参加者が参集する盛会となった。

 初日の会場ではまず、三浦氏が「CAD/CAMを応用したメタルフリー修復の現状と今後の展望」と題して大会長講演を行い、続いて坂東永一氏(徳島大名誉教授)が「デジタル処理による咬合面の望ましい形態を求めて」と題して特別講演を行った。その後「シンポジウム1 ここまで進化したCT技術」として勝又明敏氏(朝日大口腔病態医療学講座歯科放射線学分野)、新谷明喜氏(日歯大歯科補綴学第2講座)、十河基文氏(阪大歯学部/アイキャット)の3氏がそれぞれ登壇。歯科用コーンビームCTと医科用ヘリカルCTの特性の違いや、CTの補綴学的診断への応用、および臨床的な骨質診断への注意点などがディスカッションされた。

 また2日目には、一般口演8題が行われた後、企画講演として佐藤博信氏(福歯大咬合修復学講座)が「CAD/CAMテクノロジーがもたらすインプラント補綴治療の新たな考え」と題して登壇。その後ランチョンセミナー2題、企業講演4題を挟み、午後には「シンポジウム2 CAD/CAMテクノロジーが拓く新たな世界」として水木信之氏(神奈川県開業)、樋口鎮央氏(和田精密歯研)、木村健二氏(協和デンタルラボラトリー)の3氏がそれぞれ登壇。CAD/CAM技術を応用した安全なインプラント治療や、レーザーシンタリング技術を用いた補綴物製作法の利点、および最新技術・材料との関わり方などがディスカッションされた。

 昨年の本大会ではコンピュータ画面上で咬合器付着・ハンドリングを行うシステム(いわゆるバーチャル咬合器)の話題が大きなトピックと感じられたが、本年はそれがますます現実味を帯びてきたことに加え、フルアナトミカル(フルカントゥア)形態のジルコニアクラウンの応用、そしてCAD/CAMシステムのオープン化への動きについて言及する講演が多かった。とくにフルアナトミカル形態のジルコニアクラウンはすでに日本国内で2社から発売されて臨床応用が開始されており、来年以降の本会でどのような報告がなされるか期待が高まる。なお、来年度は主管校を昭和大とし、同学にて開催予定とのこと。