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2012年5月12日

日本小児歯科学会第50回記念大会開催

「子どものみらい、歯科の未来」をテーマに

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 さる5月12日(土)、13日(日)の2日間、東京国際フォーラムにおいて、日本小児歯科学会第50回記念大会(高木裕三大会長、朝田芳信学会長)が「子どものみらい、歯科の未来」をテーマに開催された。

 初日の第一会場はまず、高木大会長(医歯大)による記念講演「小児歯科の半世紀」で幕を開け、日本における小児歯科の歴史と本学会の変遷、またこれからの展望が語られた。

 次に、上条英之氏(厚生労働省医政局歯科保健課)が「少子化時代の厚生労働行政~最近の歯科保健医療行政を中心として~」と題して特別講演1を行い、昨今の社会保障改革のなかでの小児歯科の動向を解説。口腔習癖の是正、食育の推進、また口腔・顎機能の知識を一般社会に普及させることなどが、今後は歯科口腔保健においても重要であるとした。

 その後、「脳科学からみた美味しさと健康」と題した特別講演2が山本 隆氏(畿央大)によって行われ、人が味覚をいかに感じるのか、また小児期から「美味しさ」という感覚がいかにつくられるのかなど、小児と食の関連を語った。

 午後は、シンポジウム「むし歯減少国における小児歯科医の役割と今後の展望」が行われた。まず、Prof. Mark P. Hector(University of Dundee)、Prof. Göran Dahllöf(Karolinska Institutet)、Prof. Nigel M. King(University of Western Australia)、Prof. Sang Ho Lee(Chosun University School of Dentistry)、井上美津子氏(昭和大)が順に講演を行い、それぞれ英国、スウェーデン、オーストラリアおよび中国(香港)、韓国、日本の小児歯科の現状、および小児歯科専門医の役割・将来展望を述べた。そのうえで、座長を務めた田村康夫氏(朝日大)、小野芳明氏(医歯大)を交えたディスカッションおよび質疑応答が行われた。

 本シンポジウムからは、いずれの国においても小児期のう蝕が減少していることがうかがわれたが、その一方で多くの演者が肥満や慢性疾患など、新たな問題を俎上に挙げていた。そしてそれらの予防として、食事をはじめとした生活習慣や生活背景に着目し、そのヘルスプロモーションを小児歯科医師が中心となって行うべきことが示唆されていた。

 そのほか公開講演、リレー講演、宿題報告、ポスター展示、コ・デンタルテーブルセミナー、ポスター発表などが行われ、2日間を通して約1,600名が参集し盛会となった。