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2008年6月21日

第50回日本老年医学会学術集会開催

深井穫博氏の講演に医療関係者が関心を示す

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 さる6月19日(木)から21日(土)の3日間、幕張メッセ国際会議場(千葉県)にて「次世代の老年医学へ―地域医療の現場から老年医学・医療を考える―」と題するテーマのもと、第50回日本老年医学会学術集会(齋藤 康会長)が開催された。本学会は今年で50周年を迎えることもあって、会場では記念式典や特別シンポジウムも開催されるなど、連日多くの医療関係者が参集し、盛会となっていた。
 なかでも、19日(木)に行われた一般演題「疫学・予防医学・健康増進(1)」では、歯科の分野より深井穫博氏(深井保健科学研究所所長、埼玉県開業)が「15年間コホート調査における歯の保存状態および義歯装着の有無と生命予後との関連性」と題するテーマで講演。氏は、「口腔保健状態と全身疾患との関係について多くの報告がされているが、生命予後との関連について多数例を対象とした調査はきわめて少ない」と述べたうえで、1987年より沖縄県平良市、下地町、多良村において実施された歯科疾患および全身状態に関する調査結果をベースラインデータとして、その後の死亡小票に記載された結果を用いて分析し、15年2か月の追跡調査を実施したことを報告。機能歯数の低下および義歯の有無による栄養摂取量の変化や、生命予後との関連性について調査結果に基づきながら解説した。講演後には、実際に高齢者を診療する参加者から積極的な質問が出るなど、歯科側からの報告に対して医科側は関心を示していた。
 8020運動をはじめとして、歯科の全身の健康に果たす役割が国民にも徐々に周知され、医科と歯科の医療連携が叫ばれるなか、今後、深井氏のような歯科医師が医科の学会で専門的立場から積極的にメッセージを発信する機会が増えることが重要であると感じた。