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2012年5月20日

3M ESPE学術講演会「明日から始動! 患者に喜ばれる審美修復」開催

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 さる5月20日(日)、ベルサール九段(東京都)において、「明日から始動! 患者に喜ばれる審美修復」(スリーエムヘルスケア株式会社主催)が、約170名の参加者を集めて開催された。

 本会は近年、その適応範囲を広げるコンポジットレジン(以下、CR)材料およびセラミック材料を、審美修復という枠組みのなかでいかに取り入れ、日常臨床のなかで選択していくのかをテーマとするもの。審美修復領域における講演で人気の高い、高橋 登氏、大谷一紀氏(ともに東京都開業)を演者とし、これから審美修復を始める歯科医師を対象に行われた。

 午前中は、高橋氏が審美的な前歯部のデザインを、文献的根拠を踏まえて解説。理想的といわれるデザインを知ることは重要であるとした一方で、そのデザインが個々の患者の咬合に適応できるか否か、つまりは咬合診査を慎重に行うことがきわめて重要であるとした。

 次に、大谷氏がCR/セラミックスの選択法を解説。その臨床上の拠りどころとすべきポイントを挙げたうえで、豊富な症例を提示しつつ、その実際を語った。そのうえで「患者が術後の材料的変化(着色や摩耗)を容認することができ、かつ術者が患者の定期的な来院(メインテナンスとリペア)が可能と判断すれば、今は多くの部分欠損症例でCR修復が第一選択となる」とした。

 午後はまず、高橋氏が臼歯部1、2級、大谷氏が前歯部3級、4級のCR修復における細かなテクニックを解説。その後は、ポーセレンラミネートベニア修復を含むセラミック修復へとテーマを替え、その一連の治療ステップに対する考え方とテクニックを両者が述べた。

 近年、CR材料の物性が飛躍的に向上したことで、部分欠損修復に対する治療を再定義する機運が高まっている。本会もまさに両演者が文献と臨床経験の双方の視点からこれに迫ったものであり、これから審美修復を始める歯科医師はもちろん、これを既に実践する歯科医師であっても十分に参考になる講演会だと思われた。

 なお、両演者の当日の講演内容は、QDT2009年9月号、ザ・クインテッセンス2011年1~4月号、別冊ザ・クインテッセンスYEAR BOOK2011および2012(大谷氏),2008年8月号~10月号、2009年9月号~11月号、2011年6月号、7月号(高橋氏)に詳しく掲載されている。