Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2012年10月13日

平成24年度 鶴見大学先制医療研究センター・シンポジウム開催

インプラント治療の安全性について多角的な議論がなされる

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる10月13日(土)、横浜市開港記念会館(神奈川県)において、鶴見大学先制医療研究センター(佐藤慶太主任)主催によるシンポジウムが「インプラント診療の安全文化を再興するシビリゼーション」をテーマに開催された。

 シンポジウム1「インプラント・トラブルを現認する」では、玉置 洋氏(国立保健医療科学院研究情報センター・主任研究官)が歯科による事故の現状について各種データを用いながら解説し、事故の詳細な所見を収集するシステム確立の必要性を唱えた。また細川大輔氏(弁護士)は、弁護士の立場からインプラント関連の法的トラブルに言及し、術前の十分な説明と患者の意思確認、トラブル発生後の誠実な対応の重要性を述べた。

 シンポジウム2「インプラント技術の実力と普及の変遷を知る」では、波多野尚樹氏(埼玉県開業)が、インプラント治療の変遷を述べるとともに、無歯顎患者に対して安全性を追求し、最小限のインプラント本数を埋入する自身の治療法について解説した。また白鳥清人氏(静岡県開業)は、安全なインプラント治療を行うための要件に言及するとともに、低侵襲で行うベニアグラフトやサイナスフロアエレベーションの症例を供覧した。

 シンポジウム3「インプラント技術に関する教育と診療体制の現状を理解する」では、矢島安朝氏(東歯大教授)が、インプラント治療に対する社会的評価の再構築をテーマとして、東京歯科大学におけるインプラント教育の現状などを紹介し、社会に向けた正確な情報発信や個人レベルでの知識・技術向上など、「歯科界が今行うべきこと」について言及した。また、萩原芳幸氏は、インプラント治療の現況に触れながら、確実な検査・診断、医科との連携を遂行し、歯科医師一人ひとりが医療技術の向上に努め、倫理観を持って治療に望むことが肝要であると述べた。

 最後の総合ディスカッション「インプラント・トラブルの未然防止に向けた取り組みを考究する」では、佐藤慶太氏の司会のもと、インプラント治療の安全性と展望について1時間近くにわたりさまざまな議論が交わされ、盛会となった本シンポジウムを締めくくった。