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2012年10月14日

第24回 日本臨床口腔外科医会研修会開催

インプラント即時荷重のポイントが網羅された講演が展開

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 さる10月14日(日)、大阪大学中之島センター(大阪府)において、第24回 日本臨床口腔外科医会研修会(大枝直樹会長)が、「即時荷重する時・しない時 成功のカンどころ」をテーマに開催された。日本臨床口腔外科医会は、口腔外科を研鑚した医療者が情報交換の場を持ち、口腔外科臨床が地域医療の場において根付くことを指標とし、2000年に設立。以後、討議形式の講演会や研修会の開催など、積極的な活動を行っている。

  はじめに、坪井陽一氏(医療法人メディカルライフクオリティー顧問)が「即時荷重における治療プロトコールの検証」と題した講演を展開。即時荷重を計画する症例においては患者の全身的、局所的、社会的要因を鑑みた慎重な治療計画の立案が重要であると述べたほか、単独歯・部分欠損への即時荷重は確立したプロトコールが存在せず、安易に取り組むべきではないことを強調した。また、関連文献や失敗症例を紐解きながら、即時荷重治療おいて具備すべきツールやCAD/CAMシステムについて詳説した。

 次に堀内克啓氏(奈良県開業)が「無歯顎即時荷重335例の検証に基づく成功のポイント」と題した講演を展開。無歯顎患者に対するインプラント即時荷重の歴史を振り返るとともに、日本で先駆的に取り組んだ氏自身の長期症例のデータを供覧しながら、無歯顎患者へのインプラント即時荷重を成功に導くためのプロトコール(適切なインプラント本数、長径、配置など)について解説した。また、本術式におけるコンピュータガイドシステムの有効な活用法にも言及した。

  続いては本研修会のモデレーターを務める菅井敏郎氏(東京都開業)が登壇し「即時荷重」の定義、各論文で述べられている荷重プロトコールについての整理を行った。さらに坪井陽一氏がチェックシートの作成など、即時荷重の新しいプロトコール確立に向けた自身の取り組みを紹介した。ディスカッションでは、即時荷重を含めたインプラント臨床における具体的な術式のポイントについて多くの質問がなされるなど、終始活況を呈する研修会となった。