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2013年1月13日

CEセミナー20周年記念講演会「Justice in Dentistry」開催

歯科にとっての正義とは?

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 1月13日(土)、14日(日)の2日間、名古屋能楽堂(愛知県)にて、月星光博氏(愛知県開業)主催のCEセミナーが20周年を迎えたのを受けて、記念講演会「Justice in Dentistry」が開催された。本会は、テレビ・書籍で話題になったマイケル・サンデル氏(米国・ハーバード大)の講義にあやかったテーマと舞台のもと、13日は歯周病治療のトピック、14日は根管治療、歯周補綴治療、自家歯牙移植・外傷歯治療のトピックについて月星氏のほか、村上伸也氏(阪大歯学部教授)、天野敦雄氏(阪大歯学部教授)、岡 賢二氏(大阪府開業)、石原美樹氏(フリーランス歯科衛生士)、福西一浩氏(大阪府開業)、宮崎正憲氏(三重県開業)が講演した。

 月星氏は13日には「わが青春のペリオドントロジー&ペリオドンティクス」と題して講演。唇側・頬側の歯槽骨で、歯に依存する骨量であるtooth dependent bone volumeと、口蓋側・舌側の歯槽骨で歯に依存しないtooth independent bone volumeの仮説について言及。感染さえ取り除けば骨欠損があってもtooth independent bone volumeは再生して歯を保存できる。そして、tooth dependent bone volumeは歯根膜がなければ、再生療法を行っても再生しない、また頬舌的にはおよそ歯髄があった位置まで骨吸収する、との仮説をあげた。

 また14日には「これからの『歯科』の話をしよう」を講演。まず、露髄した歯は抜髄しなければならない? 根尖病変がある歯は歯髄壊死? 麻酔抜髄即充は予後が悪い? 根尖病変と痛みがある歯は開放がよい?などの、根管治療でこれまで信じられてきたドグマを反証。つぎに外傷歯の治療では、感染がない外傷歯のときは抜髄・抜歯などしないことが大事で、そうしないことで助かったはずの歯がいくつも失われてしまうことに注意を喚起した。最後に、「歯科の正義とは生体の治癒を助けること」と結んだ。