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2013年3月30日

第22回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会開催

「有病者歯科医療を科学し、遍く展開させる」をテーマに

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 さる3月30日(土)、31日(日)、日本歯科大学生命歯学部(東京都)において、第22回日本有病者歯科医療学会総会・学術大会(白川正順大会長・理事長)が「有病者歯科医療を科学し、遍く展開させる」をテーマに開催され、約700名が参集した。特別講演、シンポジウム、ワークショップ、ICD講習会、一般口演などの他、今回初の試みとして歯科衛生士セッションが行われ、賑わいをみせた。

 特別講演「口腔医学の見地から有病者歯科医療を科学する」では、田中健蔵氏(福歯大理事長・医師)を招聘し行われた。田中氏は、歯科医学は歯・歯周組織の疾患に特化した医療として成り立ったものの、現在は医学との一元化を図り、「口腔医学」として医学的基盤に立ち、その一専門分野になる必要性を説いた。それに徹することが患者中心の医療の実現に導けるとした。

 シンポジウム「BP製剤服用患者のインプラント医療の可能性を探求する」では4名のシンポジストを迎え行われた。冒頭、朝波惣一郎氏(国際医療福祉大三田病院歯科口腔外科)が、「BP製剤の光と影」と題して登壇。インプラント治療は口腔機能を回復させ患者に福音をもたらす治療であるが、その一方でBRONJ発症のリスクになりうる。この両者を考えるにあたり、第一選択薬にBP製剤を用いる骨粗鬆症の基本知識や疫学データ、またBRONJ発症のメカニズムを示し、問題提起した。これにつづく松尾 朗氏(東京医科大口腔外科学講座准教授)、関根浄治氏(島根大医学部歯科口腔外科学講座教授)、矢郷 香氏(国際医療福祉大三田病院歯科口腔外科准教授)が、それぞれの考えや取り組みを示した他、研究論文からの考察を行った。講演後のディスカッションでは、「BP製剤服用者へのインプラント治療」と「インプラントを埋入している患者のBP投与」の2つの側面からの対応を考えるべきとした。ただし、いずれもメインテナンスが徹底してなされること、また問題が起きたときは早期に発見されることが重要であるとした。