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2008年5月17日

QDT購読キャンペーン講演会

「いまさら聞けない補綴治療」(第1回・東京会場)、盛況のうちに開催

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 さる5月17日(土)、東京国際フォーラムにおいて「QDT購読キャンペーン講演会『いまさら聞けない補綴治療』」(第1回・東京会場)が開催された(クインテッセンス出版主催)。本講演会は、2006年に「チェアサイドとラボサイドのコミュニケーション」「補綴治療の基礎を見直す」をコンセプトに大幅なリニューアルを果たした雑誌「QDT」をより多くの歯科医師、なかでも今後の歯科界を担う若手歯科医師に周知する目的で開催されたもの。会場には定員を超える230名あまりの参加者が参集し、盛況となった。
 会場ではまず、同誌編集部からの挨拶にひきつづき山崎長郎氏(東京都開業)が「補綴治療の基礎を学ぶことの重要性」と題して基調講演を行った。この中で氏は、自らが補綴治療を学んできた過程を紹介し、高度な補綴治療をつぎつぎに発表する氏の根幹が地道な学びにあることを繰り返し強調した。そのうえでCAD/CAMシステムで製作されたインプラント支持によるジルコニア製フルブリッジの症例を供覧し、会場の若手歯科医師に高い目標をもつことを訴えかけた。
 その後、同誌に執筆経験のある3演者らによる講演が順次行われた。以下に、その概略を示す。
(1)「実践!若手歯科医師のための歯冠修復マニュアル まずはここから特別編:いまさら人に聞けない咬合採得・咬合調整」(萩原芳幸氏、日大歯学部歯科補綴学教室3講座准教授)
 本講演で萩原氏は、咬合調整に関する理論と実際についてわかりやすく解説したうえで、(1)最終的な補綴装置のイメージが浮かぶまでは治療に着手してはならないこと、(2)リカバリーの可能な補綴設計を考えなければならないこと、(3)補綴装置の長期予後のためには咬合の要素がもっとも重要であること、の3点を若手歯科医師へのメッセージとした。
(2)「吸着する下顎総義歯の作り方―義歯で患者の信頼を得るために―」(阿部二郎氏、東京都開業)
 本講演で阿部氏はまず、1983年の開業以来約7年間にわたって保険診療を主体に行ってきた時代を回顧。「他人の症例を見て『自分と変わらない』と思う場合にはたいがい自分の負けである」「自費になればきちんと仕事をするつもりでいても、自費の患者さんが来る前に技術を磨いておかなければ自費には対応できない」「1日80~100名の患者を診療するなかでは、総義歯製作もおろそかになってきた」などと述べたうえで、若手歯科医師が歯科医院全体の力(コ・デンタルスタッフを含む)を養って総義歯製作を成功させるためのポイントについて述べた。また、自身が若手時代に総義歯の咬合を理解するのに時間がかかったという経験をもとに、この点については動画などを用いて詳説された。
(3)「失敗しないコンポジットレジン直接修復 ―審美的・機能的予後を確実にするために―」(高橋 登氏、東京都開業)
 本講演で高橋氏は、標題に掲げた内容を実現するための窩洞形成や材料の選択につき、きわめて基礎的な内容から解説した。とくに窩洞形成においては直接修復ならではの形態について多数のスライドをもとに逐次解説し、聴講者の理解を助けていた。また、氏が提唱する3Dレイヤリングテクニックについても手順を追って紹介され、聴講者がすぐに応用できるよう配慮されていた。
 聴講者には若手歯科医師が非常に多く、非常に熱心に聞き入っていた点が印象的であった。なお、本講演会は今後、7月に大阪府および福岡県で、8月に愛媛県での開催が決定されており、さらに今秋から来春にかけて札幌、仙台、金沢、新潟、名古屋(順不同)での開催が予定されている。詳細はhttp://www.quint-j.co.jp/lecture/index.htmlにて。