Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2013年7月13日

第5回日本デンタルインプラントコーディネータ協会認定講座開催

歯科医療者と患者さんの橋渡しとなる人材の育成に向けて

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる7月13日(土)から15日(月)にかけて、朱鷺メッセ(新潟県)において、一般社団法人日本デンタルインプラントコーディネータ協会(JDICA:細山 愃名誉顧問、木村洋子代表)主催の第5回認定講座が開催された。

 インプラントコーディネータとは、インプラント治療に関する世間一般の理解が十分に進んでいないという現状認識のもと、医療従事者と患者さんの橋渡し、翻訳(デンタル・リテラシー)を第三者的立場に立って行う者であり、本協会はそれら人材を精力的に育成している。今回の認定講座には歯科衛生士・歯科助手を中心とした参加者が全国各地から集まり、3日間にわたって内容の濃い講義・ワークショップを受講した。

 細山 愃名誉顧問(新潟県開業)は、インプラントコーディネータの存在意義・基本的な役割について、長年培ってきた臨床現場の経験をもとに熱のこもった講義を展開。具体的には、患者さんのマスクニーズ(その患者さんが本当にかなえたい願望)を引き出すことの重要性、インプラント治療を通じて口腔機能が回復することの意義を理解してもらうための道筋などについて解説した。また、木村洋子代表(北海道開業)は、インプラントコーディネータが知っておくべきインプラント治療の基礎知識、実際の現場においてになう業務の内容について詳説した。

 さらに、高森愛子氏(新潟県勤務・歯科衛生士)は、自身のインプラントコーディネータとしての経験から、患者さんとの信頼関係構築に向けて必要な知識・心構えを語った。また、勝田康弘氏(日歯大新潟生命歯学部歯科補綴学第2講座)は、大学病院におけるインプラント治療の現状について解説。武井賢郎氏(長野県開業)は、前医とコミュニケーションをうまく図れず転院してきた患者さんの例などを挙げながら、インプラントコーディネータの重要性を強調した。

 なお、今回の認定講座において特筆すべき点は、他業種の講師による講義・ワークショップが受講生の動機づけに大きく寄与したことである。これまでさまざまな業界においてキャリア教育を行ってきた樽見弘紀氏(北海道学園大法学部教授)、大坂美恵子氏(ヒューマンネットワーク株式会社代表取締役社長)は、参加者が自発的に発言・ディスカッションすることでインプラントコーディネータというキャリアへの自覚につながるワークショップを展開。加えて、参加者どうしが打ち解け、今後も関係性を継続できるような会場の空気を限られた講義時間のなかで作り上げた。

 本講座の最終日には認定試験が行われ、受講者全員がインプラントコーディネータの資格を取得した。今回、コデンタルスタッフだけでなく歯科医師も参加していたが、本講座の内容はまさに、「インプラント治療のコーディネート」という枠にとどまることなく、歯科医療関係者が普遍的に身に付けておくべきことが学べるものであった。また参加者にとっては、歯科医療に従事する仕事の素晴らしさが再確認できるものであったと思われる。本協会のさらなる発展が期待される。