Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2013年10月11日

第58回公益社団法人日本口腔外科学会総会・学術大会開催

3,500名を超える参加者が博多の地に集う

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる10月11日(金)から13日(日)の3日間、福岡国際会議場・マリンメッセ福岡(福岡県)にて、第58回公益社団法人日本口腔外科学会総会・学術大会(杉原一正大会長、栗田賢一理事長)が、「日本の口腔外科のグローバル化をめざして」をテーマに3,500名以上の参加者を集め盛大に開催された。本年も多彩なプログラムが組まれており、シンポジウム4題、日韓台3学会合同セッション、日独セッション、国際セッション、口腔三学会合同シンポジウム、特別講演、海外からの招聘講演、教育講演2題、大会長指名講演、ワークショップ4題、ミニレクチャー35題、ビデオレクチャー14題、一般口演、ポスター発表など、いずれも多くの聴講者を集め活況を呈した。

 本大会の傾向として、メインテーマである「グローバル化」を象徴する初日のセッション・講演の充実ぶりがまずは目を引いた。「日韓台3学会合同セッション:Recent Topics of Oral and Maxillofacial Surgery in Three OMS Societies」、「日独セッション:Computer Assisted Surgery in Oral and Maxillofacial Surgery」では、日本、韓国、台湾、ドイツを代表する口腔外科学の権威が集い、各国で行われている最新の研究成果・治療技術が紹介された。また、Michael Ehrenfeld氏(ドイツ・ミュンヘン大病院)による「招聘講演:Computer Assisted Mandible Reconstruction」では、コンピュータガイドを有効に活用した精緻な口腔外科手術の手技が詳説された。また、「国際セッション:世界における口腔顎顔面外科の現状と課題」では、栗田賢一理事長(愛院大教授)をはじめ、Myung-Jin Kim氏(韓国・ソウル大学校)、Shou-Yen Kao氏(台湾・台北栄民総医院)、Michael Ehrenfeld氏が、それぞれの国が抱える問題に忌憚なく言及した。さらに、長期的な視野に立った口腔顎顔面外科医の育成、および医療レベルの向上を実現させるための国境を越えた協調・情報交換の必要性が再確認された。

 また、メインとなる4つのシンポジウムでは、近年いずれも注目を集める以下のテーマが取り上げられ、各治療・研究の現在地点、展望、継続していくべき議論について、活発な意見交換がなされた。
・シンポジウム1:分子標的治療への展望【演者:本田一文氏(国立がん研究センター研究所創薬臨床研究分野ユニット長)、来生 知氏(横浜市立大准教授)、中島寅彦氏(九大准教授)、大江裕一郎氏(国立がん研究センター東病院呼吸器内科長)】
・シンポジウム2:口腔癌治療における術前、術後の補助療法【演者:小村 健氏(医歯大教授)他、桐田忠昭氏(奈良県立医科大教授)、梅田正博氏(長崎大教授)、太田嘉英氏(東海大教授)他】
・シンポジウム3:顎変形症の機能を考える【演者:山田一尋氏(松歯大教授)、外木守雄氏(日大歯学部特任教授)、小林正治氏(新潟大教授)、中野洋子氏(東歯大臨床講師)】
・シンポジウム4:歯と口腔に対する新しい価値観の創造【演者:里村一人氏(鶴見大教授)、原田英光氏(岩手医科大教授)、村田 勝氏(北海道医療大准教授)】

 上記のほか、本大会中に開催された第7回歯科衛生士研究会、歯科衛生士・看護師合同セッションにおいて、周術期管理における歯科・医科連携の現状と課題が現場の視点から詳細に語られたこと、同じく開催の第9回歯科・口腔外科看護研究会が盛況を博したことも特筆すべき傾向であろう。口腔外科ひいては歯科全体がわが国の医療のなかで進むべき道を、関係者が一丸となって、また「グローバル」な視野をもって、創造していこうとするエネルギーが強く感じられた3日間であった。

 なお、次回の第59回大会は、後藤昌昭次期大会長(佐賀大教授)のもと、2014年10月17日から19日にかけて、幕張メッセ(千葉県)で開催される予定である。