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2014年1月11日

平成25年度日本補綴歯科学会西関東支部総会・大会/日本義歯ケア学会第6回学術大会/神奈川県歯第12回学術大会が同時開催

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 さる1月11日(土)から12日(日)にかけ、パシフィコ横浜(神奈川県)において標記3学会の学術大会が共催された。以下、それぞれの概要を示す。

1)平成25年度 公益社団法人日本補綴歯科学会西関東支部総会ならびに学術大会(大久保力廣大会長、鶴見大歯学部有床義歯補綴学講座)
 初日となる11日の午後には、「生涯学習公開セミナー 全部総義歯の要訣 ―失敗しないためのワンポイントアドバイス―」が開催。高山慈子氏(鶴見大歯学部有床義歯補綴学講座)、高橋 裕氏(福歯大咬合修復学講座有床義歯学分野)、水口俊介氏(医歯大大学院高齢者歯科学分野)が相次いで登壇し、印象採得から咬合様式の選択、および床縁形態などに関する基本的な事柄が簡明に語られた。
 また12日には、In-Ho Cho氏(韓国・檀国大歯学部)による特別講演「Contemporary Korean Dental Implant and Magnetic Attachment」、が行われ、韓国内におけるインプラントのニーズや供給元(海外産か国産か)の変遷、および磁性アタッチメントの応用法について詳説された。この他、専門医申請ケースプレゼンテーションやポスター発表なども活発に行われた。

2)日本義歯ケア学会第6回学術大会(木本克彦大会長、神歯大咀嚼機能制御補綴学講座)
 11日午後には特別講演1「食べることに問題のある患者に歯科は何をできるのか?」と題して菊谷 武氏(日歯大大学院生命歯学研究科、同口腔リハビリテーション多摩クリニック院長)が登壇。高齢者や障害者に生じる摂食の問題について、多くの実例を示した上で「器質的問題」と「運動性問題」に分類。こうした患者に対しては単に顎堤や歯列を回復(器質的問題)するだけでは不足であり、リハビリテーションによって運動機能を維持すること、さらには食物を適切に調製することの必要性などに言及。全体として、「栄養」という視点から、単に歯列を回復するだけにとどまらない咀嚼機能全体のケアについて広い視点から述べた。
 また12日には、一般口演に加え特別講演2「義歯の臨床研究:ドグマからの解悟 ―その楽しさと難しさ」(河相安彦氏、日大松戸歯学部有床義歯補綴学講座)が行われた。氏はまず、ドグマの実例として、近代歯科医学の父と称されるFauchard, Pの考案したスプリング式義歯が200年あまりにわたって作り続けられたことを挙げつつ分かりやすく解説。その上で、自らが関与してきた義歯の臨床研究(教科書的製作法vs.簡易的製作法、リンガライズドオクルージョンvs.フルバランスドオクルージョン、軟性裏層材の使用の是非)について紹介し、ドグマから脱するための臨床研究の実例とその困難さ、そして楽しさについて示した。また、鈴木哲也氏(医歯大口腔保健再建工学講座)によるランチョンセミナーや一般口演、およびポスター発表も盛況となっていた。

3)一般社団法人神奈川県歯科医師会第12回学術大会(高橋紀樹会長、神奈川県開業)
 本大会は12日のみの開催であったが、シンポジウム「欠損補綴長期症例からの逆襲 ~片顎無歯顎に至った症例から学ぶ成功の秘訣~」(玉置勝司氏、神歯大咬合機能回復補綴医学講座/阿部二郎氏、東京都開業)、教育講演「MFTで口腔機能改善 ―小児、歯周、補綴に広がるMFTの効用―」(大野粛英氏、神奈川県開業)、ポスター発表(19演題)、および神奈川県歯によるレセコンソフト「Dr. シーガル」の無料体験会など、盛りだくさんの内容となっていた。