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2008年3月29日

「日本臨床歯科補綴学会・特別講演 補綴装置の「天井」と「底」の基準を明確にする」開催

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 さる3月29日(土)、日本歯科大学富士見ホール(東京都)において「日本臨床歯科補綴学会・特別講演 補綴装置の「天井」と「底」の基準を明確にする」(日本臨床歯科補綴学会主催、西川義昌会長)が開催された。本学会は、小出 馨氏(日歯大新潟生命歯学部歯科補綴学第一講座主任教授)を主たる講師とする「日本臨床歯科補綴研修会」のコース修了者を会員とするものであり、適切な病態診断、発症メカニズムの診断、そして的確な治療ゴールの設定を通じた「安全な補綴治療」を旨とするものである。
 当日、約400名の参加者を集めた会場では、以下の6演題が繰り広げられた。(1)「適正なクラウンカントゥア、エマージェンスプロファイルとはどういう形態か?」(桑田正博氏〔歯科技工士〕、愛歯技工専門学校学校長)、(2)「補綴装置内部構造としての支台歯が有するべき形態とその形成基準」(西川義昌氏〔歯科医師〕、日本臨床歯科補綴学会会長)、(3)「補綴装置を顎機能に調和させる咬合構成の7要素とは」(小出 馨氏、前出)、(4)「咬合構成の7要素における診断用ワックスアップの基準と臨床の実際」(星 久雄氏〔歯科技工士〕、星デンタルラボラトリー)、(5)「シングルクラウンの治療をモデルにした診査診断の重要性」(大西一男氏〔歯科医師〕、おおにし歯科医院)、(6)「顎口腔系諸組織との調和を図るコンプリートデンチャーの印象」(宮本績輔氏〔歯科医師〕、宮本歯科医院)
 これらの講演は、いずれも「補綴物および支台歯に与えるべき生理的な形態とは何か?」という命題に答えるものであり、今後の補綴治療のあり方について再考させられるものであった。とくに、(1)において桑田氏は「材料に合わせた支台歯形態ではなく、生理的な支台歯形態こそが生体にとって必要」とし、クラウンカントゥアやエマージェンスプロファイルの望ましい形態について詳説した。さらに、エマージェンスプロファイルが頬舌的な部分のみで語られることの多い現状を危惧したうえで、その本質は歯周組織と関与するマージン部全周にあると力説。なかでも、トランジショナルラインアングルからプロキシマルコンタクトにいたる部分の立ち上がりがもっとも重要であるとした。