さる5月16日（金）、17日（土）の両日、品川区立総合区民会館（東京都）にて、第52回日本小児歯科学会大会（井上美津子大会長、山崎要一理事長）が「子ども達の未来のために～親子の絆を育む小児歯科医療～」をテーマに開催され、1,600名以上が参集した。

　2日間にわたり、基調講演、特別講演、招聘講演、シンポジウム、障害児委員会企画講演、女性小児歯科医委員会企画リレー講演、専門医認定委員会企画セミナー、歯科衛生士委員会企画セミナー、認定歯科衛生士必須セミナー、全国小児歯科開業医会企画講演、学術賞・奨励賞受賞者講演、ポスター発表など多岐にわたるプログラムが催された。

　初日の基調講演では、井上大会長（昭和大歯学部小児成育歯科学講座教授）が「子ども達の未来のために～母子口腔保健の視点からの子育て支援とは～」と題して登壇。氏はまず小児保健と母子保健の変化について述べ、インターネットの普及により育児情報の過多と氾濫から、適切な情報選択ができなくなっている現状を問題視し、母子のすこやかな成育を図るうえでも専門職である小児歯科の役割は大きいと述べた。また、氏の関連病院で２年前から開設しているマタニティ歯科の概要と実施風景を紹介。妊娠期だけでなく、出産期、子育て期それぞれのステージの沿ったサポートの必要性を説いた。

　そのほか、歯科衛生士委員会企画セミナーでは、清水清恵氏（東京都開業）が「柔らかな目と心で行うMFT～ファミリーデンティストの立場から～」と題して登壇。氏が実践している予防的なMFTから本格的なMFTまで、それぞれのエクササイズのやり方や効果を動画や図をまじえてわかりやすく解説。講演中、演者と一緒になってエクササイズに取り組む参加者らの姿が目立った。