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2014年7月6日

日本自家歯牙移植・外傷歯学研究会設立25周年記念

『自家歯牙移植 増補新版』出版記念 特別講演会開催

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 さる7月6日(日)、トヨタビルミッドランドスクエアー(愛知県)にて「日本自家歯牙移植・外傷歯学研究会設立25周年および『自家歯牙移植 増補新版』出版記念特別講演会」(月星光博会長)が開催され、約130名が参加した。

 月星光博会長(愛知県開業)は、まず外傷歯の診断と治療について概説。まず上顎前歯の外傷で、エックス線写真で見ると一見埋入(intrusion)に見えるケースを示した。「これを最小限の線量のCTで観察すると、頬側骨が骨折して歯が側方性脱臼をきたしている。埋入の診断であったならば、この歯は処置しないで観察することになるが、側方性脱臼の診断ならば整復して固定することが必要になる。このような例からもわかるように、外傷歯の診断には、外傷歯の治療に関する知識と、最小限のCT撮影による診断が不可欠である」と述べた。また、外傷歯学は突然起きた急性の疾患で感染がないことから保存的な治療が可能だが、だからといって観察もしないで放置してしまってはその後の感染が起きた場合にも放置してしまい、救える歯も救えなくなってしまうことを警告した。

 つぎに、自家歯牙移植について解説。移植歯の歯根膜により頬側骨が再生する例をあげ、歯槽骨の外形から2mm以下の歯根の逸脱で歯根膜が付着していれば頬側骨が再生する、つまり自家歯牙移植は歯周組織を含めた移植となることを示した。また、歯周病で保存できないと思われた歯を抜歯したところ、近心面・頬側面に歯根膜の付着が認められたため、歯石などを除去・掻爬して再植すると、残存した歯根膜のおかげでそのまま治癒して保存できた例など、臨床での試みに価値が認められる例が多数示された。