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2014年7月19日

第27回日本顎関節学会総会・学術大会開催

「世界の潮流から考える顎関節症治療の将来展望」をメインテーマに

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 さる7月19日(土)、20日(日)の2日間、九州大学医学部百年講堂(福岡県)において、第27回日本顎関節学会総会・学術大会(古谷野潔大会長、久保田英朗理事長)が「世界の潮流から考える顎関節症治療の将来展望」をメインテーマに開催された。

 19日(土)に行われたシンポジウム1は、「顎関節症の病因としてのブラキシズムの役割を探る」をテーマに以下の演題、演者により行われた。
1.「顎関節症とブラキシズムとの関係についての現在の理解―文献的考察―」(大久保昌和氏、日大松戸)
2.「Sleep Bruxismは顎関節症の病因か?これまでのエビデンスを整理する」(山口泰彦氏、北大)
3.「Awake Bruxismは顎関節症の病因であるというエビデンスはあるか」(藤澤政紀氏、明海大)
 以上の講演から、Sleep Bruxism、Awake Bruxismのいずれも顎関節症の病因と相関する明確なエビデンスがあるわけではなく、以後、標準化された評価方法でさらなる研究が必要であることが示唆された。

 その後、メインシンポジウム「世界の潮流から考えるこれからの顎関節症治療:分類、診断基準の変革がもたらすもの」が行われた。本シンポジウムは近年、日本国内外における顎関節症の関連領域が大きく変化したことにともない、それらの情報のアップデートを意図したもので、以下の演題、演者により行われた。
1.「新たに改訂された日本顎関節学会による顎関節症の病態分類(2013)と診断基準」(矢谷博文氏、阪大)
2.「Diagnostic Criteria for Temporomandibular Disorders(DC/TMD)」(有馬太郎氏、北大)
3.「アメリカ口腔顔面痛学会(AAOP)ガイドライン第5版[2013]の位置づけ」(築山能大氏、九大)
4.「国際頭痛分類第3β版(ICHD 3β)[2013]の概要:顎関節症の位置づけと鑑別疾患について」(井川雅子氏、静岡市立清水病院)
5.「いわゆる2軸の評価とDSM5」(宮地英雄氏、北里大)

 20日(日)も「教育講演:顎関節の臨床局所解剖」(近藤壽郎氏、日大松戸)、「シンポジウム2:顎関節症に対する理学療法の実際」、「シンポジウム3:顎関節症の痛みに対する薬物療法の実際と展望」などが行われ,注目を集めた。そのほか、2日間を通じてハンズオンセミナー、イブニングセミナー、一般口演、ポスター発表など多彩な演目が組まれ、会場はおおいに賑わった。