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2014年7月26日

第29回日本歯科心身医学会総会・学術大会開催

「心技一体の歯科医療を目指して」をテーマに

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 さる7月26日(土)、27日(日)の2日間、神奈川歯科大学横浜クリニック(神奈川県)において、第29回日本歯科心身医学会総会・学術大会(玉置勝司大会長、豊福 明理事長)が「心技一体の歯科医療を目指して」をテーマに開催された。

 初日は、一般講演が行われた後、教育講演として弁護士である宗像 雄氏(関谷法律事務所)が、「歯科心身症患者への対応―法的問題とクレームに対する予防策―」と題して講演。これまでに宗像氏が携わった医療機関等における患者等の迷惑行為の事例を挙げつつ、その対処法を紹介した。

 その後、シンポジウム1「歯学部・歯科大学における心身医学教育の現状と今後―卒前教育と卒後教育のあり方―」が行われ、和気裕之氏(神歯大)、小見山 道氏(日大松戸)、竹之下美穂氏(医歯大)、安彦善裕氏(北海道医療大)が、それぞれ登壇した。

 2日目は、それぞれインプラント、歯内療法、歯科矯正、審美修復にスペシャリティをもつ皆川 仁氏、井澤常泰氏、加治初彦氏、山崎長郎氏(すべて東京都開業)の4名の著名な臨床家を演者に、シンポジウム2「臨床家の立場から歯科心身症を捉える―経験から学ぶべきもの―」が行われた。著名な臨床家である演者らが対応に窮した患者の実例を挙げ、その対処と顛末を語ったことは、一般臨床家にとって歯科心身症が決して縁遠いものではないことを強く印象付けた。また、演者らの講演からは、歯科心身症が疑われる患者が来院した場合、歯科的原因がはっきりするまでは容易に治療を開始しないこと、資料収集をしっかり行うこと等、最低限のリスクマネージメントが示唆されていた。

 その後、特別講演「咬合違和感と脳生理との関連を考える―知識から学ぶべきもの―」が行われ、藤澤政紀氏(明海大)、小野弓絵(明治大)、豊福 明氏(医歯大)が登壇。藤澤氏は、咬合違和感診断の第一歩は、可逆的補綴治療を通し、咬合そのものの関与の有無を診断することであるとし、そのうえで中枢の関与の可能性を考えるべきだとした。小野氏は、工学博士として非侵襲脳機能計測装置を用いたチェアサイドでの咬合違和感の診断、ニューロフィードバックを用いた認知療法の研究を紹介。豊福氏は、高次中枢性病態の可視化の一環としてSingle photon emission computed tomography(SPECT)を用いたPhantom Biteの脳機能画像研究を紹介した。

 そのほか、ポスター講演、また事前予約制によるPIPC(Psychiatry in Primary Care)セミナーなども行われ、熱心な参加者で終始、会場は埋め尽くされていた。