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2014年11月16日

キャストパーシャル研究会(CPI)創立20周年記念学術大会開催

講師にK.S.I.主幹の奥森健史氏を招聘

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 さる11月16日(日)、東京国際フォーラムにおいて、キャストパーシャル研究会創立20周年記念講演会(尾形和哉会長)が開催された。同会は1994年に発足し、金属床に関するコースなどを中心に活動してきた。今回はその創立20周年を記念した学術大会ということもあり、K.S.I.主幹の奥森健史氏(デンタルプログレッシブ)を講師として招聘し、奥森氏を含めた3名の演者が講演を行った。

 まず、開会の挨拶として、尾形和哉会長(デントクラフト)が登壇し、「インプラントの増加とともに需要が減ってきていたパーシャルデンチャーだが、昨年からパーシャルデンチャーの需要が伸びているのを感じている。自分たちは、愚直に自分の信じた道を進むことしかできないが、奥森先生のように、インプラントとパーシャルデンチャーの融合など、もっと広い視野をもつことも大事」と述べた。

 奥森氏は、「Partial & Over denture with Implant―劇的に機能する、ストラクチャーデザイン―」と題した講演を行った。本講演において奥森氏は、冒頭から「どのようにするかの前に、何でこうなったかを考える」ことが重要であると述べ、過去(現在の状況に陥った原因の考察)、現在(欠損歯列の病態を診断し、欠損補綴を行う)、未来(欠損補綴のリスクとベネフィットの考察)を考慮した欠損補綴を行う必要があると、多くの症例を例に挙げて解説した(なお、本講演の内容は『QDT Art & Practice 』2014年10月号に掲載)。

 つぎに登壇した杉本雄二氏(デントニウム)は、「Accu-Bite The Use of Newly Patented Bite Taking Method for Implant」と題した講演を行った。杉本氏は独自に開発した「Accu-Bite」というインプラント症例における咬合採得治具を紹介した。Accu-Biteはオッセオインテグレーションしているインプラントに直接固定して使用するため、高い精度で咬合採得を行うことができる。また、バイトブロックなどを製作する必要がないため、患者の来院回数を減らすことができるというメリットがあるということである。本講演では、それらのメリットとともに、使用方法が解説された(なお、本講演の内容は『QDT Art & Practice 』2014年3月号に掲載)。
 
 最後に登壇した中村広太郎氏(デンケン・ハイデンタル)は、「新しい義歯製作システムを使用したデンチャーワークの御紹介」と題した講演を行った。中村氏は同社で8月から販売が開始された「ドリームツインシステム」を紹介した。ドリームツインシステムは、脱ロウ・重合を行う「ツイン・キュア」と射出成型を行う「シングル・ジェット」「ツイン・ジェット」を組み合わせた商品であり、従来の方法と比較して約半分の時間で重合を行うことができる、プログラムなどを行う必要がなく、ボタンひとつで操作が簡単に行えるというメリットがあるということであった。

 尾形会長が冒頭の挨拶で述べていたとおり、今後はパーシャルデンチャーの需要が改めて増加することが予想される。その中で、20周年を迎えた本会がどのような活動を続けていくのかを注目したい。