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2014年11月22日

第25回日本歯科審美学会学術大会開催

「歯科審美 臨床と学術のハーモニー」をテーマに

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 さる11月22日(土)、23日(日)の両日、高松国際ホテル(香川県)において第25回日本歯科審美学会学術大会(吉山昌宏大会長、宮内修平会長)が「歯科審美 臨床と学術のハーモニー」をテーマに開催された。会場では各種シンポジウム、教育講演、ポスター発表、市民公開講座などが多数開催され、500名あまりが参加する盛会となった。以下、主要な演題について概説する。

(1)シンポジウム1「審美修復におけるOne Day Treatmentの現状について」(中村隆志氏〔歯科医師・阪大大学院歯学研究科顎口腔機能再建学講座〕、風間龍之輔氏〔歯科医師・医歯大大学院医歯学総合研究科部分床義歯補綴学分野〕、藤江匠摩氏〔歯科技工士・スマイルデザイン〕、奈良陽一郎座長〔日歯大生命歯学部接着歯科学講座〕)

 本シンポジウムでは、中村氏が「CAD/CAM One Day Treatmentに使用する材料の特徴」と題し、また風間氏が「チェアーサイド型CAD/CAMによる即時修復の臨床的利点」と題し、そして藤江氏が「院内歯科技工士から見た One Day Treatment」と題してそれぞれ講演。ハードウェアはもとより、切削可能な材料が日々進化するCERECシステム(シロナデンタルシステムズ)の使いこなしについて、チェアサイドとラボサイドの双方から最新の事情がそれぞれ示された。また、風間氏は口腔内光学印象時のアシスタントの重要さについても言及。口腔内光学印象は効率的と思われがちだが、そのメリットは手際のよいアシスタントとともに行うことでこそ発揮されるとした。

(2)シンポジウム3「クラウンマージンと歯周組織について」(行田克則氏〔歯科医師・東京都開業〕、坪田健嗣氏〔歯科医師・東京都開業〕、六人部慶彦氏〔歯科医師・大阪府開業〕、末瀬一彦座長〔大歯大審美歯科学室〕)

 本シンポジウムでは、行田氏が「クラウンマージンに対する組織学的考察」、坪田氏が「BTAテクニック®におけるクラウンマージンと歯周組織の関係 ~It’s BTAコンセプト!~」、そして六人部氏が「歯周組織の安定を目指して」と題してそれぞれ講演。いずれも、補綴物の審美性はもとより歯周組織の審美性と長期予後に定評のある演者だけに、会場は多くの参加者で満員となっていた。行田氏のフィニッシュライン設定位置、坪田氏のBTAコンセプト、そして六人部氏の硬質レジンを用いたプロビジョナルレストレーションなど、すでに多くの執筆・講演が行われている題材でありながらより最新の事情を取り入れた内容としていた。

(3)臨床セッション「審美歯科の立場から口腔に対する支援を考える」(井上裕之氏〔歯科医師・北海道開業〕、北原信也氏〔歯科医師・東京都開業〕、武井典子氏〔歯科衛生士・財団法人ライオン歯科衛生研究所〕、真鍋厚史座長〔昭和大歯学部歯科保存学講座美容歯科学部門〕)

 本セッションでは、井上氏が「審美歯科の立場から口腔に対する支援を考える」、北原氏が「審美歯科から歯育(しいく)考える」、そして武井氏が「審美歯科の広がりと歯科衛生士の活動」と題してそれぞれ講演。とかく材料やテクニックの話題に終始しがちな審美歯科において、どのように患者の関心をひき、モチベーションを向上させてメインテナンスへとつなげるのかにつき、さまざまな角度から検討がなされた。