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2015年1月10日

平成26年度口腔衛生関東地方研究会学術大会開催

「地域とつなげる母子保健」をメインテーマに

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 さる1月10日(土)、昭和大学旗の台キャンパス(東京都)において、平成26年度 口腔衛生関東地方研究会学術大会(弘中祥司大会長、安井利一幹事長)が開催された。「地域とつなげる母子保健」をメインテーマに、小児科医や小児歯科医をはじめとした約40名が参集し、地域での多様化・複雑化した母子保健のニーズに対して、歯科医療関係者に何ができるかについて議論された。

 まず、弘中幹事長と安井大会長による挨拶のあと、田角 勝氏(昭和大医学部教授)が「母子保健における地域連携」をテーマに講義した。乳幼児の健康状態を把握するうえで重要な母子健康手帳の歴史や意義、その記述内容の変化から読み取れる行政の動向を概説。次いでヒトの進化から見る子育ての変遷と、いまの母子保健の諸問題が講義された。田角氏は「小児科医はサイレントマジョリティである子どもの代弁者であるべき」と強く訴え、講演を締めくくった。

 続いて具体的な保健指導について話が移り、新宿区からは五十嵐由美子氏(歯科衛生士・牛込保健センター)、中野区からは田中英一氏(歯科医師・東京都開業)、中央区からは坂田美恵子氏(歯科衛生士・日本橋保健センター)を迎え、リレー講演の形式で各地域の取り組みが紹介された。

 たとえば、新宿区では、子どもの食べ方に不安を覚える保護者に歯科相談を行っているほか、歯科保健を通じて子育てを支援するデンタルサポーターの養成に励んでいる。中野区では、医師会や小児科医が定期的に集まり情報を共有するだけでなく、保育園とも連携を深めている。また、中央区では、歯科衛生士、栄養士、医師会、運動指導士が協働で健康増進に役立つパンフレットを作成し、母親の健康管理の足がかりにしているという。

 最後には質疑応答の時間が設けられ、上記3名の演者が参加者からの質問に答えた。地域の保健指導に取り組んでいる参加者も多く、時間を30分以上超過するほど積極的な議論が交わされた。