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2015年4月26日

医歯大歯科同窓会、緊急特別講演会を開催

講師に菊谷 武氏を招聘

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 さる4月26日(日)、東京医科歯科大学M&Dタワー 鈴木章夫記念講堂(東京都)にて、東京医科歯科大学歯科同窓会学術部主催の緊急特別講演会「今始める歯科のための認知症講座―患者さんと家族のためにできること―」が講師に菊谷 武氏(日歯大教授)を迎え開催された。

 講演は休憩を挟んで午前と午後に分かれて行われた。まずは、菊谷氏が院長を務める日本歯科大学口腔リハビリテーション多摩クリニックにおける「食」に関する活動や取り組みを紹介しながら「食べることを支える」とはどういうことなのかについて解説がなされた。

 続いて本講演のメインテーマである認知症に話題を移し、認知症の原因となる主な疾患やタイプ別の特徴など認知症についての基礎的な事項やステージが進むにつれてどのような能力の低下および障害が発現するか、またそれらが歯科治療や咀嚼を始め「食べること」にどのような影響を与えるかなどについてとともに、患者のもつ障害や機能に合わせた食形態および食事環境の整備が重要であることを解説した。

 また菊谷氏は、歯科医院は初期の認知症を発見する重要な医療機関であるとし、たとえば「予約を間違えて来院する」「予約カードを頻繁に忘れる」「義歯が着脱できない」などこれまではなかった行動が患者にみられるようになったときは初期の認知症を疑ってみてほしいこと、そして患者が認知症と診断されたらできるだけ早い段階で将来の症状の進行を見据え、良好な口腔環境を構築・維持するための歯科治療を行うべきであることを強調した。

 講演終了後は質疑応答が行われ、会場からは多数の質問が寄せられた。