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2015年5月13日

第69回NPO法人日本口腔科学会学術集会開催

「創造と発展」をテーマに盛会となる

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 さる5月13日(水)から15日(金)の3日間、大阪国際会議場(大阪府)にて、NPO法人日本口腔科学会第69回学術集会(森田章介大会長、丹沢秀樹理事長)が、「創造と発展」をテーマに約1,000名の参加のもと盛大に開催された。日本医学会における歯科界唯一の分科会である本学会は、口腔と全身の健康に寄与する学術集会となることを念頭に、シンポジウム、ワークショップ、各種講演、一般演題、ポスター発表など、多彩なプログラムが繰り広げられた。

 「シンポジウム1 薬剤関連顎骨壊死のアップデート」(座長:西村一郎氏、UCLA教授/岸本裕充氏、兵庫医科大教授)では、「骨吸収抑制剤と顎骨壊死」(山口 朗氏、東歯大教授)、「化学平衡を基にしたビスホスホネート置換によるBRONJ予防/治療の可能性について」(北郷明成氏、UCLA Adjunct Assistant Professor) 、「骨吸収抑制剤関連顎骨骨髄炎・顎骨壊死の画像診断」(田口 明氏、松本歯科大教授)、「ビスホスホネート関連顎骨壊死に対する高気圧酸素療法 -当科の現状とこれから-」(飯野光喜氏、山形大教授)、「薬剤関連顎骨壊死の予防・治療における臨床的課題」(岸本氏)、「骨修飾薬を用いた骨転移治療の現状」(河野範男氏、神戸海星病院院長)の各テーマにて講演。BP製剤のほか、抗RANKL抗体デノスマブ投与患者でも同様に顎骨壊死が生じることが明らかとなり、2014年よりAAOMS(米国口腔顎顔面外科学会)のポジションペーパーにおいて、BP関連顎骨壊死(BRONJ)から、薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)と変更されたことを受けて、顎骨壊死のメカニズムやその治療法など最新の情報が紹介され、会場からも多数の質問が寄せられるなど、関心の高さがうかがわれた。

 「シンポジウム2 インプラント治療の今後の展望」(座長:馬場俊輔氏、大歯大教授/河奈裕正氏、慶応大准教授)では、「インプラント治療のトラブルを考える」(野阪泰弘氏:兵庫県開業)、「要介護者に対するインプラント治療について」(窪木拓男氏、岡山大教授)、「口腔腫瘍患者における顎口腔インプラント治療 ~早期治療の可能性~」(河奈氏)、「上部構造の今後を考える」(馬場氏)、「再生医療のインプラント治療への応用を考える」(山田陽一氏、愛知医科大准教授)の各テーマにて講演。咬合再建・機能回復に貢献する歯科医療として確立しているインプラント治療において、各種トラブルや超高齢社会における対応などの課題や、デジタルデンティストリーや再生医療の応用などが紹介され、その現状と将来展望について情報提供された。

 さらに、「睡眠時無呼吸症候群に対する顎矯正手術の適応を考える」「習慣性顎関節脱臼の治療を考える」「エナメル上皮腫・角化嚢胞性歯原性腫瘍の治療を考える」「医学部口腔外科における歯科医師臨床研修プログラムの充実」「口腔扁平苔癬を再考する」「口腔癌の放射線治療戦略」の6演題にて開催されたワークショップでは、最新の知見や情報、治療法などが提供され、参加者の関心を集めていた。

 なお、次回第70回学術集会は、きたる2016年4月15日(金)から17日(日)、の3日間、福岡県歯科医師会館および福岡国際会議場(福岡県)にて開催予定となっている。