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2015年5月21日

第53回日本小児歯科学会大会開催

「こどもたちが輝く明日のために」をテーマに1,700名が参集

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 さる5月21日(木)、22日(金)の両日、広島国際会議場 (広島県)において、第53回日本小児歯科学会大会(香西克之大会長、山崎要一理事長)が「こどもたちが輝く明日のために」をテーマに開催され、約1,700名が参集した。

 初日の大会長講演では、香西克之氏(広島大大学院医歯薬保健学研究院小児歯科学教授)が登壇。「こどもたちが輝く明日のために小児歯科医療の果たすべき使命」と題して、現在の小児歯科医療の抱える問題と、それに対し学会が成すべき使命について述べた。氏は、少子高齢化と小児う蝕の減少にともない、現在の小児歯科医療には、(1)重症う蝕児・ハイリスク児の局在化、(2)小児歯科医療の質の格差、(3)標榜医・学校歯科医の質のばらつきと、歯科診療に対する保険点数の低さ、(4)厚労省の歯科疾患実態調査の被調査者数の減少、といった問題があると指摘。特に(1)については、発達障害児や有病児、被虐待児に重度のう蝕がみられる点を強調し、こうした小児は全体の一部ではあるものの、学会としては、そのような児童を見過ごさず戦略的に取り組んでいくべきだと説いた。

 2日間にわたる大会では、香西大会長の考えを反映して、小児がんや放射線治療の専門医や、虐待やネグレクト問題の専門家が招聘されたほか、若手教授らが小児歯科の将来について論じるシンポジウムも開かれた。また、市民公開講座としては、カンボジアの子どもたちの教育に取り組む田中千草氏(アナコットカンボジア代表)が講演し、大会参加者にくわえ一般市民約300名が来場した。

 そのほか、ランチョンセミナーや口頭発表、ポスター発表、日本小児歯科学会専門医および認定歯科衛生士制度についてのセミナーも行われ、密度の濃い2日間となった。