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2015年7月5日

京セラCOLLOQUIUM IN 2015開催

「超高齢社会におけるインプラント治療を考える」をテーマに

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 さる7月5日(日)、イイノホール&カンファレンスセンター(東京都)において、「京セラ COLLOQUIUM in 2015」(京セラメディカル株式会社主催) が「超高齢社会におけるインプラント治療を考える」をテーマとして、約470名の参加者を集め盛大に開催された。

 午前の一般講演では、馬場俊輔氏(大歯大専任教授)を座長として、吉井 透氏(北海道開業)、黒嶋伸一郎氏(長崎大病院口腔・顎・顔面インプラントセンター)、南 康朗氏(鹿児島県開業)がそれぞれ講演を行った。

 特別講演では、春日井昇平氏(医歯大大学院教授)を座長として、荒川真一氏(医歯大大学院教授)が「超高齢社会を見据えた機能水の歯科治療への応用―オゾンナノバブル水―」と題し講演を行い、殺菌作用、安全性について各種データが提示された。歯周病菌、う蝕原性細菌などへの殺菌能は、インプラント周囲炎の治療においても、オゾンナノバブル水を用いた洗浄、含嗽によって歯周病菌を幅に減少させ、インプラント周囲の骨の再生が得られたことが報告された。また、安全性については、口腔粘膜細胞が半減する時間を基準として、市販の口腔洗浄剤、界面活性剤と比較。口腔洗浄剤は1時間、活性剤は47分、オゾンナノバブル水は24時間以上であった。これらより、日々の口腔内メインテナンス、PMTC、特に飲んでも安全ということから在宅高齢者分野での活用が見込まれた。

 午後のDigital Dentistryでは木本克彦氏(神歯大大学院教授)を座長として、三村彰吾氏(熊本県勤務)が「顎機能障害の治療における画像診断(MRI・CT)の有効性について」、鈴川雅彦氏(広島県開業)が「Digital dentistry towards the future」、遠藤 学氏(埼玉県開業)が「口腔内スキャナーを利用したCAD/CAMによる上部構造の作製」と題し、それぞれ講演を行った。

 最後に、春日井氏を座長として「超高齢社会におけるインプラント治療を考える」をテーマのもと、糸瀬正通氏(福岡県開業)が「1ピースインプラントの再考」、大澤一茂氏(茨城県開業)が「欠損歯列へのインプラントオーバーデンチャーの活用」、小宮山彌太郎氏(東京都開業)が「高齢者とインプラント療法」、山道信之氏(福岡県開業)が「高齢者とリスクファクターを持つ患者への術式の選択」と題してそれぞれ講演。

 小宮山氏の講演では、自身の臨床において術後に患者血圧が以上値に上昇し、救急車を呼んだことを紹介。「全身的な疾病をもつ高齢者では何が起きるか分からない。救急車を呼ぶことは恥ではない。患者の安全を第一とすることが重要である」と赤裸々に語られた。

 その後のパネルディスカッションにおいては、高齢者においては、患者への肉体的、時間的、金銭的な負担をかけない、審美から機能を優先としたインプラント治療が重要となることが各演者から語られた。最後に、春日井氏によって、高齢者治療においては特にメインテナンス、長期的予後を考えたインプラント治療が必要であるとまとめられた。