Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2015年7月4日

第8回Institute for Oral Reconstruction例会 in 門司港 2015開催

新進気鋭の若手歯科医師を主体に活気溢れる発表が続く

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる7月4日(土)、5日(日)の2日間、国指定重要文化財三井倶楽部(福岡県)において、「第8回Institute for Oral Reconstruction(I.O.R.)例会 in 門司港 2015 ~朝まで生プレゼンやっちゃいますか~」(竹下賢仁主宰)が約40名の会員メンバーを集めて開催された。インプラント治療を中心とした知識を共有し、インプラント治療の普及を目指してさまざまな活動を行っているI.O.R.は、現在その会員数は120名を超える。

 初日、藤澤將人氏(東京都勤務)がトップバッターとして登壇し、インプラントアンカーを用いた矯正治療の有用性を論じて例会の口火を切った。続いて、河村 亮氏(岐阜県開業)はVisual Analogue Scaleを用いて、経験豊富な歯科医師らのアンケート結果と比較しながら、インプラント治療における自身の客観的評価について考察するユニークな講演を行った。そして、小久保賀代氏(愛知県開業)は、自身の歯科医師人生を振り返り学んできたことを明示することによって現在の自分のスキルや立ち位置を把握する重要性を説いた。平島将臣氏(熊本県開業)は、セメント固定式とスクリュー固定式の比較から話を始め、症例を供覧しながら材料学もからめた上部構造製作の要点についてわかりやすくまとめた。

 2日目、又吉誉章氏(神奈川県勤務)は、矯正医と早期に連携することでインプラント埋入を先行させ、固定源として有効活用できた症例を発表した。次に登壇した三隅一公氏(熊本県開業)は、マイクロスコープを用いた歯内療法においてMTAによる根管充填を行ったケースを複数供覧し、その際の細かなテクニックや勘所を披露した。藤田譲治氏(東京都勤務)は、下顎大臼歯部にサージカルガイドを用いてインプラント埋入した症例を検討し、三角関数の式で計算した誤差を基にガイド使用の際の留意点を述べた。光田斗夢氏(愛知県開業)は、多くの歯科医師がスタッフ採用と育成について頭を悩ませている現実を指摘し、ディスカッション風景を撮影した動画を交えながら悩みを共有し解決してゆくことの大切さを熱っぽく主張した。最後に、友寄泰樹氏(沖縄県勤務)が上顎洞炎の治療後にインプラントを埋入した2症例を発表し、治療計画や術後管理などのプロセスをつぶさに説明しながらトラブルを起こさないための要点に言及した。

 終始和やかな雰囲気で講演会は進行したが、時には鋭い質問やメンバーからの厳しい指摘も飛び交い、なれ合いにならない建設的な質疑応答が繰り広げられた。開業して間もない先生や若手勤務医にも積極的に発表の機会を与え、全員で研鑽しチームのボトムアップを図ろうとするI.O.R.らしい例会となった。

 なお、2016年1月31日(日)には、I.O.R.結成10周年の特別講演会が予定されている。