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2015年7月26日

第7回JSDEIセミナー開催

糖尿病、口腔保健と栄養の推進セミナーに約500名が参集

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 さる7月26日(日)、虎ノ門ヒルズフォーラム(東京都)において、第7回JSDEIセミナー(一般財団法人サンスター財団・ハーバード大学医学部附属ジョスリン糖尿病センター主催)が「糖尿病、口腔保健と栄養の推進セミナー~明日からの糖尿病予防・療養支援に向けて、チーム医療の観点から~」をテーマに開催された。会場には、医師、歯科医師、保健師、看護師、栄養士、薬剤師、歯科衛生士など約500名が参集し、盛会となった。

 George L. King氏(ハーバード大医学部教授、ジョスリン糖尿病センター)の開会の辞で幕を開けた本セミナーは、基調講演、第1部「糖尿病予防、歯周病予防の最新情報および新しい展望」、第2部「糖尿病予防、治療を目指したチーム医療および地域連携」、第3部「パネルディスカッション」が行われた。日本糖尿病学会理事長である門脇 孝氏(東大大学院医学系研究科糖尿病・代謝内科教授)や、日本歯周病学会理事長である和泉雄一氏(医歯大大学院医歯学総合研究科歯周病学分野教授)、William C. Hsu氏(ハーバード大医学部助教授、ジョスリン糖尿病センター副所長)など、糖尿病や歯周病の研究分野における第一人者らが登壇し、糖尿病と歯周病の関連性および治療と予防における最新知見が多数の研究データとともに披露された。

 第2部では、本セミナーのテーマにも挙げられたチーム医療に取り組む事例が紹介され、歯科の立場から永田俊彦氏(徳島大大学院医歯薬学研究部歯周歯内治療学分野教授)と医科の立場から松久宗英氏(徳島大糖尿病臨床・研究開発センターセンター長・特任教授)が登壇。永田氏は、糖尿病と歯周病の双方向の関係に言及しながら、潜在糖尿病患者の歯科から医科への受診を促す方法として、現在研究を進めている歯科独自の血糖スクリーニング法を紹介した。また、松久氏は徳島県の糖尿病を取り巻く課題として、運動習慣や食生活など地域の特性を挙げながら、地域医療連携を推進していくための医療情報と治療方針を共有するシステムや積極的な患者教育の対策などを示した。
 
 その後のパネルディスカッションでは「医科、歯科、チーム医療の将来展望について」をテーマに、すべての参加者に用意されたタブレット型端末で寄せられた各演者への質問を中心に展開された。糖尿病を早期発見するための歯周組織の状態を客観的に評価する必要性や、医科と歯科の共通言語の問題、全身状態を把握するための歯学部卒前教育の見直しなど、医科歯科連携のための多岐にわたる内容が議論され、会場は終始熱気に包まれていた。

 最後に、本田孔士氏(一般財団法人サンスター財団理事長)がJSDEI(Joslin-Sunstar Diabetes Education Initiative)の軌跡と財団の取り組みを紹介し、本セミナーは成功裏に終幕した。