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2015年8月2日

公益社団法人日本口腔インプラント学会 関東・甲信越支部 第6回学術シンポジウム開催

「超高齢社会とインプラント」をメインテーマに380名を集め盛会となる

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 さる8月2日(日)、日本歯科大学生命歯学部 富士見ホール(東京都)において、公益社団法人日本口腔インプラント学会関東・甲信越支部第6回学術シンポジウム(塩田 真大会長、簗瀬武史支部長)が「超高齢社会とインプラント」という旬なテーマのもと、約380名を集めて開催された。

 午前中のセクション1では、まず上條竜太郎氏(昭和大)が骨代謝研究の観点から、インプラント治療に密接にかかわる骨の経年的変化や強度、さらには最新の骨再生医療について言及した。次の関 啓介氏(日大歯学部)はインプラント埋入時とその後10年ほどの同部位を比較したケースを複数供覧し、インプラント周囲組織と加齢変化にスポットをあてた。そして、野村智義氏(東京都開業)は認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の問題に触れ、歯科医療において認知症の全般的な理解のための体制づくりが必要であると説いた。田村暢章氏(明海大)は現在注目されているロコモティブシンドロームやサルコペニアなど高齢者のメディカルリスクにおいて、術前評価や治療上の考慮点を紹介した。その後、午前中の演者らが揃って登壇し、ビスフォスフォネート製剤の問題やMCI患者における具体的なインプラントメインテナンスなどについて約40分のディスカッションを行った。

 午後のセクション2では、高森 等氏(日歯大附属病院)が日本におけるオッセオインテグレーテッドインプラントの歴史と現状について、おもに口腔外科の観点から自身の豊富な体験談を交えて語った。続いて登壇した松井新吾氏(神奈川県開業)は、多職種協働連携で支援した在宅療養の実例を供覧し、患者の居宅に足を運ぶことが訪問歯科のはじめの一歩となると主張した。遠藤眞美氏(日大松戸歯学部)は、高齢者の口腔乾燥に焦点をあて、全身状態、服薬状況、生活環境などが複雑に作用しているため、原因を見極めることが重要と説いた。最後の今 一裕氏(医歯大歯学部附属病院)は、おもに高齢者の摂食嚥下障害と全身状態について述べ、介護状態になったインプラントの修理やメインテナンスを含めた治療方針の検討を求めた。午前に続いてセクション2でもディスカッションの時間が設けられ、要介護状態の患者に対するメインテナンスや訪問時の保険請求など、多岐にわたる質問が会場から発せられた。