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2015年8月30日

第7回Endoサミット開催

「歯髄除去から歯髄再生への根管治療のパラダイムシフト」をテーマに

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 さる8月30日(日)、UDXギャラリー(東京都)において、第7回Endoサミット(デンタルアーツアカデミー主催/座長:寺内吉継氏・デンタルアーツアカデミー専属講師)が「~歯髄除去から歯髄再生への根管治療のパラダイムシフト~」をテーマに、会場満員の参加者を得て盛大に開催された。今回は、MTAの生みの親Prof. Mahmoud Torabinejad(米・ロマリンダ大)と月星光博氏(愛知県開業)の共演ということもあって、以前より注目を集めていた。

 まず、午前はProf. Torabinejadの講演で、MTAの臨床像とトピックとして「歯髄再生」について講演。3-mix、MTA、さらにはエムドゲインを用いたpulp revascularizationの術式や足場にPRPを用いた歯髄再生療法について解説した。午後は月星氏が「若年者の歯髄処置方針」と題して、vital pulp therapyについて講演。Apexogenesis、pulp revascularization、transient apical breakdown、apexification、real pulp regenerationを豊富な症例を用いて解説。つづいてもう1人の海外演者Dr. Antonis Chaniotis(ギリシャ・アテネ開業)が登壇し、自身のおもに小児歯科の臨床像を披露。文献考察のうえでのケースプレゼンテーションはevidenceに則ったものであった。すべてのケースでマイクロスコープを使用しているということで、YouTubeなどでも著名なようである。最後に再びProf.Torabinejadが登壇し、硬化時間が早い新しいMTA「Fast Set MTA」について解説した。

 講演のなかで月星先生が発信した「pulp revascularization」は歯髄の再生か?との問題提起が最後のディスカッションに至るまで紛糾した。この問いに答えられる人はそう多くないだろうが、月星氏はその答えとして、歯髄再生療法のことをあえて「real pulp regeneration」としていたのが印象的であった。