Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2015年8月30日

(一社)全国在宅療養支援歯科診療所連絡会全国大会開催

辻 哲夫氏など豪華講師陣で満場の盛会となる

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる8月30日(日)、東京医科歯科大学(東京都)において、(一社)全国在宅療養支援歯科診療所連絡会全国大会(原 龍馬会長)が開催され、医療関係者約120名が参集し、盛会となった。

 午前の部は、辻 哲夫氏(東大高齢社会総合研究機構特任教授)による基調講演「食べることへの対応と口腔ケアに携わる人材の養成について」が行われた。辻氏は、国が推進している予防政策と医療介護政策に言及しながら、口腔ケアをはじめとする歯科の重要性について強調。そのうえで、現場においては多職種連携研修での口腔ケアのノウハウなどを指導できる歯科医師の養成が急務とし、多職種連携研修プログラムを紹介した。

 引き続き、戸原 玄氏(医歯大大学院高齢者歯科学分野准教授)による講演1「東大IOGモジュールの普及について」が行われた。戸原氏は、在宅医療研修プログラム領域別セッションや摂食嚥下・口腔ケアのセッションなど、自身も委員として携わった研修プログラムについて説明した。

 午後の部では、飯島勝矢氏(東大高齢社会総合研究機構准教授)による講演2「医科―歯科―栄養連携~オーラルフレイルから考えるフレイル予防~」が行われた。飯島氏は、研究にかかわった大規模高齢者虚弱予防研究(柏スタディ)について触れながら、しっかり噛んで食べるという概念を新しい国民運動論に落とし込んでいく必要性や、社会参加を軸としたフレイル予防運動論などについてわかりやすく解説した。

 最後に、平野浩彦氏(東京都健康長寿医療センター研究所社会科学系専門副部長)による講演3「超高齢社会における老年学へのアプローチ 歯科からフレイルを考える」が行われた。平野氏は、老年学に歯科が共通言語をもっていかにアプローチしていくかについて問題提起したうえで、歯科に今後求められる口腔機能低下の予防を目的とした評価法の確立や、口腔機能低下を老年学分野にアピールする必要性を強調した。

 辻氏をはじめ、超高齢社会の課題を解決するための社会システムの構築などに関する研究分野で活躍する豪華講師陣が登壇したこともあり、満場の会場は熱気に包まれていた。