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2015年9月11日

第21回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会開催

約6,300名の医科・歯科・介護福祉職などが集う

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さる9月11日(金)、12日(土)の両日、国立京都国際会館(京都府)において、第21回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会(水間正澄大会長、椿原彰夫理事長)が開催された。「広がりゆくリハビリテーションニーズの中で摂食嚥下を考える」をテーマに据えた本大会には、前大会の約6,500名に迫る約6,300名の医科・歯科・介護福祉職などが参集した。

 超高齢化社会の到来を背景に、急性期および生活期でのリハビリテーションの必要性が増している昨今、リハビリテーションの最重要領域のひとつである摂食嚥下リハビリテーションのニーズも増している。そうしたニーズの広がりをふまえ、本大会では、シンポジウム、パネルディスカッション、特別講演、招待講演、一般口演、ポスター発表など多数の講演が行われ、終始賑わいをみせた。

 急性期での摂食嚥下リハビリテーションは医科の果たす役割が大きいため、才藤栄一氏(藤田保健衛生大医学部リハビリテーション医学I講座教授)による特別講演「摂食嚥下リハビリテーションの歴史と進歩 そのリハビリテーション医学へのインパクト」や、葛谷雅文氏 (名古屋大大学院医学系研究科地域在宅医療学老年科学分野教授)による会長指定講演「高齢者医療における摂食嚥下の重要性―KAIDEC-Studyの結果を中心に」に見られるように、演目の4割近くは医師系の演者が占めた。しかし一方、急性期リハビリテーションおよび生活期リハビリテーションでの口腔ケア・栄養の重要性から、歯科医師をはじめ看護師、管理栄養士、歯科衛生士、言語聴覚士など幅広い職種も登壇した。

 特に歯科関連では、「地域包括ケアと摂食嚥下障害-高齢社会におけるリハビリテーションと摂食嚥下-」「誤嚥性肺炎患者への地域連携」「機能獲得期の摂食嚥下リハビリテーション -多様な臨床の場における職種間連携-」といったシンポジウムで、摂食嚥下の問題が論じられ、改善には地域および多職種の連携が必要なことが改めて強調された。また、植田耕一郎氏(日大歯学部摂食機能療法学講座教授)が司会を務めたシンポジウム「災害と摂食嚥下リハビリテーション」では、東日本大震災で被害を受けた宮城県気仙沼市にいち早く赴き、今も支援活動をしている医師、歯科医師らが被災地での活動を紹介した。

 その他、企業展示会場には91社が出展。その半数以上が食品会社で、各社が工夫を凝らした嚥下食が来場者の目と舌を楽しませた。

 次回の第22回大会は、2016年9月23日(金)、24日(土)の両日、朱鷺メッセ(新潟県)において、井上 誠大会長のもと開催予定。