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2015年9月13日

Sreenivas Koka氏、依田 泰氏による合同講演会開催

「インプラント周囲炎のリスク回避を考える」をテーマに多角的な議論が展開

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さる9月13日(日)、品川シーズンテラスカンファレンス(東京都)において、Sreenivas Koka氏、依田 泰氏による合同講演会「インプラント周囲炎のリスク回避を考える―原則と最新ツール」(ノーベル・バイオケア・ジャパン株式会社主催)が、会場満席となる150名以上の参加者を集め盛大に開催された。

 最初に登壇したSreenivas Koka氏(米国・サンディエゴ開業)は、罹患率が50%以上とも言われ、近年とくに注目が集まっているインプラント周囲炎の現状について解説。オッセオインテグレーション成功には患者、インプラント体、術者自身の要素がすべて関与している事実を再認識すべきであるとし、「インプラント周囲の骨吸収には、すべて炎症が関与している」と断じてしまう昨今の風潮に警鐘を鳴らした。さらには、骨吸収のリスクファクターの一つであるセメントの残留について言及し、セメント固定そのものがリスクとなりうるとしながらも、使用するセメントの選択、ベントフォール(遁路)の設定位置など、「どのような方法でセメント固定を行うか」について慎重に考えることの重要性を強調した。さらに、従来適応外とされてきた歯槽骨や部位にもスクリュー固定を応用するための最新ツールであるノーベルプロセラASC ジルコニア・アバットメントの特長について解説した。

 続いて依田 泰氏(東京都開業)は、まず自身の症例を供覧しながら、インプラント周囲炎の治療法の歴史を振り返った。そして、現時点では、もっとも効果がある手法が特定されているわけではないと述べ、インプラント周囲炎に罹患する前に予防することの重要性を説いた。そのうえで、骨吸収のリスク因子となる上部構造やアバットメントのマイクロギャップに留意してインプラントを選択すること、理想的なポジションにインプラントを埋入することなどが大切であると強調した。また、そのためには、SmartFusionなどのツールを用いた的確な術前のシミュレーション、ガイディッドサージェリーの応用などが有効であると述べた。さらにはノーベルプロセラFCZインプラントクラウンやASCジルコニア・アバットメントなど、インプラント周囲炎予防に寄与する新たなインプラント関連ツールについても言及した。

 感染のみならず、治療計画、補綴、コンポーネントなど、多角的な視点からインプラント周囲炎を考察した講演会とあって、講演後のディスカッションでも両演者に多くの質問が投げかけられ、終始盛況のうちに幕を閉じた。