Quint Dental Gate 歯科のコミュニケーションサイト

文字サイズ
標準
特大

トピックス


2015年11月7日

一般社団法人 国際口腔インプラント学会2015年 学術大会開催

「明るい未来をもたらすインプラント治療」をテーマに

ログインされますと、関連書籍が表示されます。
会員でない方はこちら
(※関連書籍がないトピックスは表示されません)

 さる11月7日(土)、8日(日)の2日間、ソラシティカンファレンスセンター(東京都)において、国際口腔インプラント学会(以下ISOI、杉山尚隆代表理事)2015年学術大会が、「明るい未来をもたらすインプラント治療」というテーマのもと、約300名の参加者を集め盛大に開催された。

 ドイツを本拠地としたヨーロッパ最大最古の歴史をもつドイツ口腔インプラント学会(以下DGZI)の日本支部を併設した当会は、本大会においてもDGZIボードメンバーを迎え、初日はハンズオンセミナー、2日目は講演会の構成で行われた。

 2日目のメインホールでは、歯科医師講演としてDr. Mazen Tamimi(DGZI国際支部会長、ミネソタ大)、Dr. Suheil Boutros(ミシガン大)、春日井昇平氏(医歯大大学院)、Dr. Heiner Weber(チュービンゲン大)、藤井一維氏(日歯大新潟生命歯学部)、堀内克啓氏(奈良県開業)の講演が行われた。

 Dr. Mazen Tamimiは「DGZIの最近の活動」と題し、本年で46周年を迎えるDGZIの「いかに高齢者において成功裏にインプラントを埋入するか」をテーマとした活動と、GBOI(ドイツのインプラント認定)のシステムについて述べた。

 Dr. Suheil Boutrosは「修復を目指した外科治療の実践―単独歯から全顎まで―」と題し、患者の期待度が高く治療難易度の高い前歯部審美ゾーンの治療前の分析から始まり、米国で新たに開発されたトラベキュラーメタルインプラントを用いた臼歯部での即時荷重などを紹介した。

 春日井昇平氏は「効果的で勘弁で安価で安全な骨造成法」と題し、造成における3要素(細胞・増殖・足場)を中心に、開発中のGBR膜や動物実験の成果を紹介した。

 Dr. Heiner Weberは「歯周炎を持つ患者へのインプラント治療の賛否両論とガイドライン」と題し、キットを用いた歯周病細菌を分析し効果的な抗生剤の種類を決定する手法や、口腔内所見だけでなく対診・遺伝子検査による遺伝的リスクファクターの分析を紹介。ガイドラインを紹介するなかで、治療の成功には審美・患者の納得が必要であり、治療の成功(success)と残存(survival)は違うものであると、論文を読み解く際の注意を幾度も喚起したのが印象的であった。

 藤井一維氏は「医療安全のコンピテンシー~成果の望む医療機関の行動変容~」と題し、インプラント手術を行う際に用いられるパルスオキシメーターや心電図等のモニター類の読み取り方、医療面接における薬の情報取得の重要性と抗凝固薬・抗血小板薬といった注意すべき薬剤について解説した。

 堀内克啓氏は「サイナスリフトを成功させるためのポイント―上顎洞炎と上顎洞粘膜穿孔の対処法―」と題し、上顎洞炎をともなった症例にサイナスリフトを計画、施行する際のポイント、穿孔を起こさないための骨窓の位置および粘膜剥離のポイント、粘膜穿孔を起こした場合の対処法を動画を交えて詳説した。

 他ホールでは歯科医師講演としてDr. Jeffery Johnston(ミシガン大)が講演。また、歯科技工士講演として高橋 健氏(Dental Laboratory Smile Exchange)、小田中康裕氏(oral design彩雲)、歯科衛生士講演として阿部田暁子氏(埼玉県勤務)、田内友貴氏(東京都勤務)、医療スタッフ講演として北 敏枝氏(ビジネスソリューション)、石飛幸三氏(特別養護老人ホーム芦花ホーム常勤医師)の講演が行われた。