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2015年11月15日

2015 デンタルコンセプト21 例会開催

「予知性の高いインプラント治療をめざして ~骨組織と軟組織のマネージメント~」をメインテーマに

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 さる11月15日(日)、秋葉原コンベンションホール(東京都)において、2015 デンタルコンセプト21(三好敬三会長、中村社綱最高顧問)例会が「予知性の高いインプラント治療をめざして ~骨組織と軟組織のマネージメント~」のテーマのもと、約140名を集めて開催された。

 はじめに、会長である三好氏(東京都開業)が登壇し、低侵襲なインプラント治療を心掛け、自身のスキルを超えた治療は決して行ってはならないという力強いメッセージを送った。次の松本ゆみ氏(岡山県開業)は、骨造成をともなうインプラント埋入を行い、咬合再構成をした症例を供覧した。続いて、阿部正明氏(宮城県開業)が前歯部において抜歯後即時埋入および即時荷重を行い、審美的・機能的問題を解決した症例を紹介した。

 休憩を挟み、登壇した鎌倉 聡氏(愛媛県開業)は、中村社綱氏が考案したGBR-Newを用いて前歯部の骨造成を行った症例を発表した。川端一裕氏(北海道開業)はエビデンスとなる文献を交えながら、下顎小臼歯部へのインプラント埋入時に考慮すべきGBRと小帯切除の処置について講演した。渡辺多恵氏(東京都勤務)はインプラント周囲組織の特性を説明したのち、インプラント‐アバットメント接合部が周囲組織に及ぼす影響について考察した。

 午後の講演では、まず富樫宏明氏(佐賀県開業)が登壇し、上顎洞底挙上術時に用いる骨移植材料に求められる生化学的特性を詳しく説明した。続く下尾嘉昭氏(東京都開業)は、上顎洞炎が発症した際の処方薬について細かく述べ、大きな反響を得た。木津康博氏(神奈川県開業)は注目が集まっている再生医療を概説し、加えてPRFを用いて上顎骨を再建した自身の症例を供覧した。

 西山 敦氏(東京都開業)は、予知性の高いインプラント治療のために正確なインプラント埋入ポジションが不可欠であると説き、前歯部症例を示した。白鳥清人氏(静岡県開業)は、審美領域のインプラント治療において生物学的な調和がもっとも重要であると力説し、審美的要求の高い患者にインプラント治療を行った4症例を提示した。最後に、中村最高顧問(熊本県開業)が自身の豊富な経験と最新のエビデンスより骨組織再生の分類を示し、その分類に即したアプローチ法で治療した症例を供覧した。

 GBRなどの骨造成はもちろんのこと、インプラント埋入ポジションや再生医療、硬・軟組織のマネージメント、上顎洞炎治療の投薬内容など、さまざまなテーマでインプラント治療が多角的に語られたことに加え、多くのプレゼンテーションがケースレポートをメインに構成されていたため、計12名の講演は小気味よく進行した。

閉会の挨拶において、来年度の例会は2016年11月19(土)、20日(日)の2日間にわたって開催される予定であると三好会長が述べ、例会を締めくくった。