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2015年11月23日

第11回在宅医療推進フォーラム開催

「住みなれた街で最期まで」をテーマに

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 さる11月23日(月)、東京ビッグサイト国際会議場(東京都)において、第11回在宅医療推進フォーラム(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター、公益社団法人在宅医療助成勇美記念財団主催)が「住みなれた街で最期まで」をテーマに開催され、約1,000名が参集した。

 会場では、住野  勇氏(公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団理事長)による開会の挨拶後、第一部として、北海道から九州までの全国11ブロックフォーラム報告会が行われ、在宅医療への取り組みが紹介された。その後、「在宅医療に歯科はどう関わるか」が行われ、石井拓男氏(東歯大副学長)をコメンテーターとして、細野 純氏(東京都開業)、原 龍馬氏(一般社団法人全国在宅療養支援歯科診療所連絡会会長)、鈴木 央氏(医師、鈴木内科医院)がそれぞれ講演。細野氏は在宅歯科医療の課題として実践的な研修やその仕組みづくりを挙げ、原氏は在宅歯科医療の取り組みについて症例を供覧しながら、在宅歯科医療と口腔ケアを普及させるための歯科衛生士の新しい雇用形態についても言及。鈴木氏は、歯科医師である細野氏との円滑な医療連携について触れ、医科が口腔内を診ることの必要性や、「顔の見える関係」から「腹の見える関係」を強調し、会場を沸かせた。

 午後の第ニ部では、武田俊彦氏(厚生労働省政策統括官 社会保障担当)による特別講演「あらゆる政策に地域包括ケアの推進を~在宅医療の視点を活かして~」が行われた。武田氏は、国が推進する地域包括ケアシステムについて多数の資料をもとに概説。また、診療報酬改定率の推移や高齢者の多剤投与の状況などのデータも示しながら、これからのあるべき医療の姿として「モノから技術、薬から食事へ」の転換を強調した。

 引き続き、辻 哲夫氏(東大高齢社会総合研究機構特任教授)の座長のもと、市長サミット「地域包括ケア確立のため 市町村トップはこう動く」が行われ、佐藤一夫氏(国立市長)、田辺信宏氏(静岡市長)、森 雅志氏(富山市長)が登壇。地域包括ケアシステムの構築に向けた地域での取り組みについてさまざまな事業(仕掛け)を披露し、辻氏が3氏のプレゼンテーションを絶賛するほど会場を魅了した。

 その後、シンポジウム「患者・家族が『よかった』と言える在宅医療のために」が行われ、市民2名による基調講演と、パネルディスカッション「住みなれた街で最期まで」では、シンポジストとして歯科医師会の立場から深井穫博氏(日本歯科医師会常務理事)が登壇した。

 閉会の辞では、大島伸一氏(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター名誉総長)が、年々充実した会へと発展を遂げている本フォーラムに対する講評を述べるとともに、在宅医療を普及させるために尽力している住野氏と辻氏を壇上に上げ、その功績を称えた。